第4話

文字数 387文字

 ボクも「フルムーン」恐怖症を乗り越えるため、満月の夜にその原因となったフルムーンへ若宮さんを誘い訪れることにした。若宮さんに気づいたオーナーは、すぐに自ら注文を取りに来てくれた。そしてボクは何度も食べたことのある「フルムーンでフルムーンを」のミルクティーとコーヒーのセットを頼む。キャンペーンは先月で終わっていたため、ペンスタンドがついてくることはなかったが、目的はそれではないので気にしないようにする。

 パンケーキと飲み物が運ばれてきたので、ボクは若宮さんのお皿へパンケーキを取り分けた。その間に若宮さんは、やはり優美な手つきでミルクティーを口にし「ここのミルクティー、美味しいね」と、ボクへ微笑んだ。まったく――その一言で救われるのだから、ボクはなんて単純な男なんだろう。




 そして……若宮さんやフルムーンにばかり気を取られていたボクは、やっぱり彼女に振られてしまった。
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