第1話

文字数 358文字

おばあちゃんは江戸時代から続く、旧家を一人で守り続けています。
足が少し不自由になり、近くに住むおばさんが時々お手伝いにきてますが、ほとんど一人でなんでも、できちゃいます。
おばあちゃん家には、おばあちゃんが生まれる前からある、七段飾りのとってもきれいなおひな様がありました。
私はこんなにきれいなひな祭りを飾るのは大変だなあと思って
「おばあちゃん、ひとりでおひな様飾るの?」
「ひとりでは無理だよ」
「じゃあ、来年は私もお手伝いするね」
そう約束しました。

一年後、立春が過ぎた頃に私は、
おばあちゃん家にお手伝いに行きました。
「おばあちゃん、何から始めるの?」
「見ててごらん」
そう言うと、おばあちゃんは優しく微笑んで、手を叩きました。
すると、押し入れが空き箱の中から、おひな様たちが出てきて、自分たちで飾り付けを始めたのでした。
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