詩小説『成田空港』3分の失望。過去を引きづる人へ。

エピソード文字数 420文字

成田空港

成田空港には、再会と惜別。
どよめきと悲鳴が入り混ざるよ。

その時を告げる、耳をつん裂くように。
霧ガラスの向こうで飛行機飛び立つ。

あなたを失ったあの日から、
心の片隅に悪魔を宿した。

手懐けていたはずの悪魔に、
いつしか飼い慣らされてた。

霧の街。
脱け殻の人群れ、
色を失った身体を溶かして。

湯気立つ道を行く。
浮かべていたのは、無邪気な日々。
いつの日かの、マボロシ。

孤独を愛していたつもりだったが、
孤独に愛されていた。
連れのように、この身体寄り添う。

分からずやな女だな。
聞く耳もなけりゃ、見る目もない。
消えてくれよ、こちらから願い下げだ。

成田空港には、再会と惜別。
どよめきと悲鳴が入り混ざるよ。

その時を告げる、耳をつん裂くように。
霧ガラスの向こうで飛行機飛び立つ。

本屋に立つ長い髪、その背中に、
いつかのあなたを見た。
珈琲の渦の上、煙と消える。

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登場人物紹介

主人公はあなたです。それぞれの恋愛模様を『詩小説』で。

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