甘くて、そして、しょっぱい。
文字数 2,000文字
「LGBT理解増進法なんていうけどさ、自分は理解してるつもりなんかな」
「理解してるわけないよね、人間なんて自分のこともよく解 らないのにさ」
人間は自分に甘い。”自分は差別している加害者だ”って、そういう自覚がない。その昔、ある黒人アクティビストも言っていたように、迫害の手を緩 めているだけなのに自分は慈悲深いつもりでいる。
「だよね。自分のこと解 ってないヤツほど、善人ぶって他人を非難したがる。それが自己投影なんだってことにも気がつかない」
「そうそう、他人 のこと甘えだって言う人ほど、当人が甘えだし。『ワガママだ』って言うのは、自分自身がワガママだから」
ゴォー。どーん。雨と稲妻が刺さっている。冠水している道路。自動車が走っていく。
店内にも挿さっている新聞。”免許返納制度は高齢者差別だ”。私はさっきスマホでも見た。
自家用車を運転しないと生きていけない国だから。世界有数の自動車産業国。
「世の中自体が差別主義だからね。『まずは自助』って言っている人間ほど、社会システムに甘えてる。差別して甘い汁吸ってる人間ほど、世の中を直したくないわけで。人間こんなんだからどうせ、差別なんてなくならないよね」
「差別をなくしたら『国が滅ぶ』もんね(笑)」
”国が滅ぶ”なんて言うのは、国への依存心の表 れだ。たかが個人のジェンダーも結婚も、世の中の枠組みに合わなければ認めないという。彼らは何を怖 れているのか。
そもそも性別というものでさえも、人間が造り出した概念。世の中が勝手に男性と女性を定義したのに、それを実存だと錯覚してる。そして、その制度にみんな甘えてる。
だから男性と女性というのも対立するものなのだろうか? どちらか一方でしかない、排他的なものなのだろうか?
例えば、甘いと塩辛 いは排他的な関係ではない。”砂糖を入れすぎたから塩を足したらいい”ということは決してない。そんなことがあったら、塩キャラメルもチョコポテチも雪塩ちんすこうもない。スイカに塩をかけない。
なのに出生届 は、どちらか一方に決めないと出せない。それどころか一生、どちらか一方でなければならない。さらには、
それはなにせ、私自身が判 った。外 ならぬ自分のことなのに、検査してみないと判らなかった。
遺伝がどうあれ性自認は人それぞれだけど、私の場合は両方だし、もしかするとホルモンバランスもあってか、日 によってバラつきがある。
そもそも人間っていうもの自体が、そういうものなんだ。人間自身も、いつも同じでいるわけじゃない。昔インドの偉いお坊さんが言ったように、この世界は何もかもが変化して移ろいゆく。人間も例外ではない。歳をとるし、
「まあ、このままいくと国どころか地球が滅ぶけどね。いや、地球はわりかし頑丈 で、人類だけが滅ぶんかもしれないけど……」
外はまだ雨が降っている。さっきまで炎天下だったのに。だから私たち、この店に避難してきたのだった。
「これも、甘えているっていう自覚がなかったんだよね、地球に」
人類は地球生まれの地球育ち。地球に依存して生きている。なのにその自覚が足りないから、地球から収奪し放題で、地球を破壊し放題で来た。根っからの甘え。
また別のニュース記事。”気候専門家「人類はバカ」”。危機を警告してきたのに、われわれ人類は間違いを改めることがなかった、と。
加害者であることの自覚がない。だから、加害の手を緩めるだけでいいと思っている。もの言わぬ地球を差別して暮らしている。
私たちは、地球から収奪して成り立っている社会システムに依存している。自分たちが造ったシステムに甘え、加速さえさせてきた。鉄もコンクリートをも、造 るのには化石燃料が要 る。この世の中は地球差別で成り立っている。
”これがフツーだ”と思い込んでいる。石油を燃やせることにしても。なにもかもが、収奪によって出来上 がっている社会。この砂上 の楼閣 に暮らしている。依存しないと生きていけない。
”これがフツー”なわけだから。いままで二酸化炭素を出しまくって大気中を濃くしてきたのに、”排出量を減らせばいい”としか思っていない。ホントは、二酸化炭素濃度を減らす、つまり、回収しなくちゃいけないのに。二酸化炭素最終処分場が必要だ。
自分たちの造りあげた社会システムに甘えているから、より根本的に依存している地球や生態系を顧 みない。国家にこだわり、地球も将来を見ずに目先の利益。
自分のことさえも、よく理解していない。
人間というのは、甘くて、そして、しょっぱい。
テレビではブルーインパルスが飛んでいる。
「理解してるわけないよね、人間なんて自分のこともよく
人間は自分に甘い。”自分は差別している加害者だ”って、そういう自覚がない。その昔、ある黒人アクティビストも言っていたように、迫害の手を
「だよね。自分のこと
「そうそう、
ゴォー。どーん。雨と稲妻が刺さっている。冠水している道路。自動車が走っていく。
店内にも挿さっている新聞。”免許返納制度は高齢者差別だ”。私はさっきスマホでも見た。
自家用車を運転しないと生きていけない国だから。世界有数の自動車産業国。
「世の中自体が差別主義だからね。『まずは自助』って言っている人間ほど、社会システムに甘えてる。差別して甘い汁吸ってる人間ほど、世の中を直したくないわけで。人間こんなんだからどうせ、差別なんてなくならないよね」
「差別をなくしたら『国が滅ぶ』もんね(笑)」
”国が滅ぶ”なんて言うのは、国への依存心の
そもそも性別というものでさえも、人間が造り出した概念。世の中が勝手に男性と女性を定義したのに、それを実存だと錯覚してる。そして、その制度にみんな甘えてる。
だから男性と女性というのも対立するものなのだろうか? どちらか一方でしかない、排他的なものなのだろうか?
例えば、甘いと塩
なのに
甘党
どうしは結婚できないというわけだ。それはなにせ、私自身が
両方
なのだから。単なる気分の問題ではなくて。物心つく前から違和感はあったけれど、それも私の場合は性自認だけではなくって遺伝なのも遺伝がどうあれ性自認は人それぞれだけど、私の場合は両方だし、もしかするとホルモンバランスもあってか、
そもそも人間っていうもの自体が、そういうものなんだ。人間自身も、いつも同じでいるわけじゃない。昔インドの偉いお坊さんが言ったように、この世界は何もかもが変化して移ろいゆく。人間も例外ではない。歳をとるし、
コロナ
にもなる。それどころか、その時々で体調も気分さえも変わる。同じではいられない。「まあ、このままいくと国どころか地球が滅ぶけどね。いや、地球はわりかし
外はまだ雨が降っている。さっきまで炎天下だったのに。だから私たち、この店に避難してきたのだった。
「これも、甘えているっていう自覚がなかったんだよね、地球に」
人類は地球生まれの地球育ち。地球に依存して生きている。なのにその自覚が足りないから、地球から収奪し放題で、地球を破壊し放題で来た。根っからの甘え。
また別のニュース記事。”気候専門家「人類はバカ」”。危機を警告してきたのに、われわれ人類は間違いを改めることがなかった、と。
加害者であることの自覚がない。だから、加害の手を緩めるだけでいいと思っている。もの言わぬ地球を差別して暮らしている。
私たちは、地球から収奪して成り立っている社会システムに依存している。自分たちが造ったシステムに甘え、加速さえさせてきた。鉄もコンクリートをも、
”これがフツーだ”と思い込んでいる。石油を燃やせることにしても。なにもかもが、収奪によって
”これがフツー”なわけだから。いままで二酸化炭素を出しまくって大気中を濃くしてきたのに、”排出量を減らせばいい”としか思っていない。ホントは、二酸化炭素濃度を減らす、つまり、回収しなくちゃいけないのに。二酸化炭素最終処分場が必要だ。
自分たちの造りあげた社会システムに甘えているから、より根本的に依存している地球や生態系を
自分のことさえも、よく理解していない。
人間というのは、甘くて、そして、しょっぱい。
テレビではブルーインパルスが飛んでいる。