2-7 どうしても家に行きたい
文字数 765文字
あのね、親戚の子を今うちで預かってるんだけど、その子がお祖父様や兄さんの研究についていろいろわたしに聞くの
ハア
でもね、わたし、兄さんみたいに生物学とかさっぱりでよくわからなくて
全然答えられないから、その子に冷ややかな目で見られちゃって……
ほう
わたしの代わりに周防 くんにその子の話し相手になってもらえたらいいなって思ったんだけど……どうかな？
そ、それはつまり、銀騎 研究所に行ってってこと？
あ、うん
自宅も研究所の敷地内にあるから、もちろん
──いやあ、でも、身内の銀騎 さんを差し置いて、僕なんかができるかなあ
そんなに深い内容じゃなくていいの
まだその子13歳だから
外部の人が知ってるような基本的なこともわたしはうまく説明できなくて……
そう？
それならお邪魔させてもらおうかな
本当？ありがとう！
──それと、
あ、ああ、俺も行ってみてえな
よかった！
じゃあ、今度の日曜日はどうかな？
いいよな、永
もちろん
じゃあ、時間とかは調整してから……連絡先交換しない？
あ！僕、携帯電話カバンの中だ
ライくん持ってるでしょ、交換しといて
お、おう……
じゃあ……
（女子の名前、初めて入った……）
じゃあ、後でまた連絡するね
おう、また
ちょっと、ライくーん？
初めて女の子の連絡先記録したんじゃない？
うっせ！
てか、お前携帯持ってないって嘘だろ
バレてたか
あいつの番号、俺から教えても大丈夫な雰囲気だったよな？
あ、僕はいいです
知りたくないので
お前、あいつに関しては徹底してるな……
だから、彼女との連絡係はライくんってことで
まあ、いいけど
別にイイのよ？
それ以外でも使っても！
しねえよ！
ハッハッハ、青春だねえ
