2-10 再会は突然に

文字数 1,216文字

 驚いている蕾生(らいお)(はるか)に対して、鈴心(すずね)と呼ばれた少女は少し諦めた様な表情で息を吐いた。
 運命には、逆らえないということですか……
 リン!お前だったのか!

 この前の態度はどういうことだ!?

 なんでそんなに若い!?

 (はるか)はそれまでの冷静さを失って、頬を紅潮させながら必死の形相で鈴心に詰め寄り、その細い腕を乱暴に掴む。
 痛い、痛いです


 落ち着いてください、ハル様

 周防(すおう)くん、やめて!
 (はるか)、落ち着け
 あ──、ごめん
 とりあえず、座れ
 訳がわからないよ、リン……
 ……
 なんなの?みんなは知り合いなの?


 リンってなんのこと?

 星弥(せいや)、席を外してもらえませんか?


 この二人と話があるんです

 ダメです!
 星弥(せいや)……
 すずちゃんを見ただけで取り乱すような人と、わたし抜きで話すなんて絶対にダメです!
 星弥(せいや)、お願いします


 とても、大事な話なんです

 う……
 星弥(せいや)は困った顔のまましばらく何かを考えた後、意を決した表情でまず部屋の鍵をかけた。


 そして窓のカーテンを全て閉めて、頑固な雰囲気を崩さずに鈴心(すずね)の隣に座る。

 これが人払いできる精一杯です!
 ……ハル様、星弥(せいや)も同席して構いませんか?
 ──でないと説明してもらえないなら仕方ないね
 ライ、あなたも座りなさい
 ……

(こいつはずっとえらそうだな……)

 星弥(せいや)、後でわからないことは説明しますから、会話を遮らないように
 はい!
 まず……そうですね、今の私の名前は御堂(みどう)鈴心(すずね)です


 年は13

 今年14になります

 驚いた、初めて教えてくれたな
 そうですね、今までは私がリンであることが重要だと思っていたので


 ですが、今回は私のことは鈴心(すずね)と呼んでください

 リンじゃだめなの?
 星弥(せいや)が混乱しますので
(ドヤァ)
 ……私が転生した家は、銀騎(しらき)の親戚筋のひとつです


 ですが、今はこうやって銀騎(しらき)の家に厄介になっています

 あのね、すずちゃんのお母様身体が弱くて、夫婦で転地療養に行ってるの


 そしたらお祖父様がすずちゃんはうちで預かることにしたからって──

 星弥(せいや)、黙って

(ジロ)

 ごめんなさい!
 これは単なる事実に過ぎませんが、私はいつもより2年遅れて産まれました


 それから記憶が覚醒したのはよく覚えていないのですが、とても幼い頃だったように思います

 おれとライのことも小さい頃から思い出してたのか?
 そうですね。わかってました


 けれど私は行動しませんでした

 何故!?いつもなら思い出したら真っ先に駆けつけてくれてたろう?
 幼かったので、物理的に無理があったのと──


 今回の転生では自省する時間が多くあったためです

 何を考えていたんだ?
 結論から言えば、私はもう嫌になりました


 何度も何度も同じ事の繰り返し


 希望の光さえ見えない、こんな運命に

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登場人物紹介

唯 蕾生(ただ らいお)


15歳。男子高校生

怪力なのが悩みの種

九百年前の武将、英治親の郎党・雷郷の転生した姿


周防 永(すおう はるか)


15歳。男子高校生

蕾生の幼馴染

九百年前の武将・英治親の転生した姿


御堂 鈴心(みどう すずね)


13歳。銀騎家に居候している少女

英治親の郎党・リンの転生した姿

永と蕾生には非協力

銀騎 星弥(しらき せいや)


16歳。高校一年生

銀騎詮充郎の孫で、銀騎皓矢の妹

鈴心を実の妹のように可愛がっている

永と蕾生に協力して鈴心を仲間に入れようとする


銀騎 皓矢(しらき こうや)


28歳。銀騎研究所副所長

詮充郎の孫

銀騎 詮充郎(しらき せんじゅうろう)


74歳。銀騎研究所所長

およそ30年前、長らく未確認生物と思われていたツチノコを発見、その生態を研究し、新種生物として登録することに成功した


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