第2話

文字数 588文字

榊にさっさと廃校を買ってもらうために、電話をかける。電話をかけるたびに思う。だるいって。距離感がわからない。

まあ、一番迷惑してんのは電話をかけられた側だけどな。俺が電話をかけられたら無視するが、心の中ではかけてきたやつをぶん殴ってる。



「でさ、頼むよ。榊」
「なんで廃校買いたいの?」

俺は榊にその小学校が母校であり、校長の自殺を捜査したい旨を話した。

「…」
「…」

榊は迷っているようだ。もっと高い買い物はしているはずだから、金額が問題じゃないはずだ。

「わかった。買うよ。一つだけ条件つきで」
「その条件が無理難題とか止めろよ」

半分金払えとか。

「廃校で待ち合わせするから、そのとき黒いキューブを渡す。それをもっていてくれ」



「それだけ?爆弾とかじゃないよな」
「安心してくれ。危ないものじゃない」

とにかく、最高だ。

「じゃあ、廃校で」
「ああ」



「あ?」

廃校に向かう道の途中、電話がかかってきた。いつもなら無視だが今日の俺は機嫌がいい。でてやろう。

「もしもし」
「もしもし、榊の父だ」

うぇ?!まじで? ATMじゃん。

「どうしましたか」
「いや、話は息子から聞いたよ。まあ、高田くんは数少ない友達だからな。買うよ」
「本当ですか!ありがとうございます」
「じゃきるよ」
「あ、はい」

電話をかけられるのは迷惑?誰だそんなこといったやつ。俺がぶん殴ってやりたいね。
榊の父からはむしろ殴られたいね。
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