チャー専用の消毒スプレー

俺のご主人、涼真（りょうま）は俺に何かあったら嫌だと言って知り合いの者に俺専用の消毒スプレーを作って貰っている。

2ヶ月後、俺専用の消毒スプレーが家に届いた。

その日から俺は外に出るたび涼真から消毒スプレーを吹きかけられ1日を過ごす。

そんな日が1週間、続きチャーの怒りが爆発した。

「チャー、消毒スプレーするからおいで」

「もう、嫌だ」

「チャー！」

逃げるチャーを涼真は消毒スプレーを置いて追いかけ外に出ると歩きながら名を呼んだ。

「チャー…チャー…チャー」

「涼真じゃない」

「帆乃香（ほのか）」

「何かあったの？」

「チャーを見なかったか」

「チャーちゃんがどうかしたの？」

「家を飛び出していったんだ」

「家を飛び出したって何で」

「俺のせいかもしれないな」

そう言って涼真が落ち込むと帆乃香が口を開いた。

「チャーちゃんに何をしたの」

「チャー専用の消毒スプレーを作って外に出るたび消毒スプレーを吹きかけたんだ、そしたら家を飛び出していったんだ」

「吹きかけられたから嫌がったのよ、身体を消毒するなら濡れタオルにしないと」

「……」

「迎えに行ってあげて」

そう言って帆乃香が家の鍵を差し出すと涼真は鍵を受け取り口を開いた。

「どうしてチャーが帆乃香の家にいるとわかるんだ」

「私にはわかるのよ、鍵はポストの中に入れといてね」

そう言って帆乃香が歩いていくと涼真は帆乃香の家に向かった。

その頃、チャーはクロノスケに涼真への不満を口にしていた。

「お前の身体を心配して消毒スプレーを吹きかけてたんだろ、チャー、お前が悪い涼真に謝れ」

「何でだよ」

チャーが口にしたその時、涼真が現れた。

「涼真！」

「チャー、ゴメンね」

「……」

「帆乃香に言われたよ、チャーが家を出ていったのは消毒スプレーが嫌だからだと」

「……」

「消毒スプレーはもう止める、チャー、濡れタオルはどうかな」

「……」

「濡れタオルは気持ちいいぞ」

「……」

クロノスケの言葉を信じチャーは涼真の元に行き鳴いた。

「にゃ～」

「チャー、怒ってない？」

「にゃ～」

鳴きながらチャーが寄り添うと涼真はチャーを抱っこし帆乃香の家を出ていくと家に帰っていった。

無事に仲直りしたチャーと涼真。

次の日からチャーの身体を消毒するのは消毒スプレーではなく濡れタオルになった。