ただの詩的メンヘラくそポエム

文字数 553文字

羽虫を殺したくなるよ。



「雨」

湿った透明を吸い込んで、曇った水色は薄く眺める線で滲んだ景色、
二人で切り取られたみたい
濡れた髪は憂いを含んでゆるんでる、滴ったうなじに鎖骨が光って
隣にいるきみがいつもより遥かにみえる。
あーあ、こうやって、死んでもあなたと一緒にいたいな
うつっている足元が背伸びをして冷たい表層が熱を帯びた
ねぇ、溺れてみせて。

/「入水」




 「昼寝」

光が淡く溢れ出した、留まったじかん 無垢な寝息で顔にかかった黒髪  
きみは別の生き物みたいで吸い込まれそう
そっと顔に触れたら
うずまる心音は嫋やかに、瞼が焦点を求めて、覆われた硝子は溶けていった
「おきて、」
ゆらぐ光はわたしをみつめ
きっと今は、君の中にわたしだけだ

/「病室」




「ドライヤー」

手が、
骨が、
シャンプーの匂い、
眩む熱風に吹き抜ける音ぜんぶに撫でられる
せかいいちしあわせー!っ言っても聞こえないから終に大声で笑い出した
だから昔は髪が切れなかったの

/「ショートカット」




「イヤホン」

「ん、」
「ん?」
「イヤホン半分こ」
なんかちょっと恥ずかしそうだね。
「うん、いい曲だね」
ちょっとだけ柔軟剤のにおいがする何かを示唆する近距離もきらきらした睫毛も揺れながらとる律動も声に出した歌詞もこの曲も夢中になって、忘れないで、全部だよ

/「学生時代の嫌いな曲」





/内緒だよ。




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