六、
文字数 410文字
私が毎日欠かさずに行っている事がある。それは、死んだ両親の写真の前で拝む行為である。幼い頃に両親を亡くした私に仏壇を買うお金などなく、テーブルの上に両親の写真を飾り、毎日拝んでいた。慣れたとはいえ、苦しみを吸い取る特殊能力を使うと、とてつもなく体力を消耗することが分かってきた。けれど、この両親の写真を前に拝むという事をすると、体がとても楽になるような気がした。
老若男女問わずに苦しむ人を救い続けてきた私だが、私を救ってくれる人はこの世には誰一人としていなかった。この世にはいなかったが、死んだ両親には毎日毎日救われていた。死んだ両親は、きっと私のこの活動を応援してくれているのだと感じていた。娘が人を救えるような大人になって、きっと天国で喜んでくれているはずだ。そう思うと、疲れが吹っ飛んで、次の日も、また次の日も頑張ろうと思うことができた。でも、ずっと続くと思っていたこの行為、この日々が続くことはなかった。
老若男女問わずに苦しむ人を救い続けてきた私だが、私を救ってくれる人はこの世には誰一人としていなかった。この世にはいなかったが、死んだ両親には毎日毎日救われていた。死んだ両親は、きっと私のこの活動を応援してくれているのだと感じていた。娘が人を救えるような大人になって、きっと天国で喜んでくれているはずだ。そう思うと、疲れが吹っ飛んで、次の日も、また次の日も頑張ろうと思うことができた。でも、ずっと続くと思っていたこの行為、この日々が続くことはなかった。