第15話 気まぐれな闘技場2

文字数 1,045文字

 天を突くような雄たけび。激しい絶叫。空気が泡立つような熱狂。

 数十人数百人規模の時化た遊び場じゃない。見た限りざっと万超えはしている。こんな場所が実際本当にあるのかと、改めて思った。昔来た時は、なんてことのない普通の国に認可されている領土内の闘技場だった。無認可になっただけで面積は軽く十倍になり、観客もはるかに多かった。王城よりもでかい、といえば説明が早い。

「おおおおおおおおおおおおお」

重なる絶叫。僕が潜ったのはどうにも戦士らの入場する扉だったようで、目の前に敵がいる。普通と違うのは、それが一人や二人ではなかったことだ。

「さあ! 最後の戦士が入場! 後二分! まだ飛び入り参加は受け付ける! 戦士に限り入場料はいらねえ! リスクに代わりファイトマネーがでるだけさ。ただし、戦士が死んだ場合は金はこちらで回収する! わかったか!?」

おおおおおおおおお、っとまた声に声が連なっていく。

「1万ベイスもかけてんだ! 溝に捨てるのだけはやめてくれよリザ―!」

 その言葉に誘われるように、自らの掛け金を言って奮い立たせる観衆。

 闘技場の砂を踏んでいる戦士はざっと百人あまり。どういうルールで何が行われるのか何も聞いていない僕はとりあえず、念のため闘う前の自分自身に幻をみせることにした。

 自己暗示の強化版のようなものである。これは一度かけたら解除が利かない。自分自身で自分の幻を解く術はなく、魔力切れまで続く。

「さあて、はじまりだ。まず最初は前言通り貴様等の運を試す。ロシアンルーレット。終わったら、最後の一人になるまで殺し合いだ。雑魚どおし乳繰り合ってくれ。お前らはあくまで飛び入りの素人軍団。期待してねえけどな! じゃあ、最初の銃声が合図だ。ほれ」

 の直後に視界が揺れた。

 地を割ったような銃声と、鮮血。

 あっけなく僕は倒れ伏した。

「あっあがっ」

「おっと最初の犠牲者はそいつか。運が悪かったな」

 銃声のした方角を見た。僕を狙えるような位置になく、僕とその火縄銃の間には何人も戦士たちがいた。その隙間を縫うように唐突に撃たれて、偶然あたる。いや違う。

 こんなところまで、呪いの影響が出た。まだ持っていた竜火石は、この国の奴らは信じ込んでるが実際はただの石ころだ。僕自身の、呪い。

 倒れる時、反転して仰向けに倒れる。にたにたと嗤う戦士たち。馬鹿笑いする観衆。

 まだ昼間なのに空にはくっきりと見える、嗤う月があった。

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登場人物紹介

後々記載するにゃ

実は前に出した分を削除してしまったので再投稿にゃ

因みに吾輩は作中で喋る猫として登場するにゃ

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