みーちゃんのクリスマス・プレゼント

文字数 720文字

 今日のみーちゃんはクリスマスです。

 朝、みーちゃんが目を覚ますと、学習机の上に緑色の包みがあるのを発見します。

 ──わー、きっとクリスマス・プレゼントだ!サンタさん、ありがとう!

 みーちゃんは、今年、腕時計をサンタさんにお願いしています。

 来年の春からみーちゃんは中学生です。みーちゃんはのんびり屋さんですので、小学校ではピアノ教室へ行く時によく遅刻をします。けれども、中学生になっても同じではいけません。腕時計があれば、時間を管理できますから、遅刻もしません。

 小学校は児童の腕時計が禁止です。中学生になって使うのですから、ミッキーやキティちゃんの腕時計ではいけません。お母さんがつけているような大人の女性らしい革バンドの腕時計でなければならないのです。

 いつもは寒いので、ベッドから出るのが嫌なみーちゃんですが、今日は違います。寒さなんか忘れています。

 ベッドから起き上がって、お豆腐を2丁重ねたくらいの大きさの包をみーちゃんが手にとります。赤いリボンをほどき、緑の包み紙を開けると、白いビニールレザー生地の箱が現われます。

 箱のふたをそっととると、茶色の革バンドの腕時計が中に入っています。

 ──わー、うれしー!こんな腕時計が欲しかったんだ!サンタさん、ありがとう!絶対大切にするね!

 みーちゃんが白い布の台から腕時計をとり出すと、その下にビニール袋に入った紙があるのに気がつきます。

 ──何だろ?あ、保証書か。

 見てみると、保証書にはお父さんの名前が記してあります。

 ──サンタさんからのプレゼントの保証書に、お父さんの名前があるということは…それって…えー、そんなあ~!

 何か大切なものが失われていく気がするみーちゃんなのです。
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