4 ❀ 一緒に飛びませんか?

文字数 1,015文字

学校から帰ってきた咲良は、そわそわとしていた。
まだかな・・・

夕食の準備中も、何度も時計を確認する。


そして、午後8時。

ただいま帰りました
おかえりなさい! ジョン、お疲れさま。御飯できてるよ。
美味しそうな匂いですね。カバンを置いてきます

客室でコートをぬぐと、手を洗い、食卓へ向かった。


食卓には、泉、賢武、作の三人も集まっていた。

ジョンの席は、ここだよ

わあっ、ご飯大盛りですね! カラアゲも大好きなんですよ。


いただきます!

帯刀家の家族とともに、食事を始める。


おいしくて箸がすすむ。御飯をおかわりもした。

ごちそうさまでした
合掌し、ぺこりと頭を下げる。
おそまつさまでした

咲良と凪は、台所で食器の片付けを始めた。

お皿、洗うの大変じゃないですか
大丈夫よ、ジョンくん
ジョンはお仕事大変だったでしょう。ゆっくりしてて
咲良がお皿を洗い、凪がそれを拭きながら言った。

魔法で、少しお手伝いしてもいいですか?


聞き込みばかりで魔法を使う機会がないので・・・

それはかまわないけど・・・
では、洗うのと、拭くのをさせてください

汚れたお皿が数枚、ふわりと浮かび上がった。


彼は指揮者のように両手を動かした。

お皿とスポンジが…浮いてる!!

キュキュッと音がして、蛇口から水が流れる。


泡を落としたお皿が綺麗に積み重なる。


すると布巾が浮かび上がり、水気を綺麗に拭き取った。

透明人間が…お皿を拭いてくれているみたい。すごいわ!

拭き終わったお皿は楽隊のように列をつくり、食器棚へともどっていく。


五分以上かかる片付けが、一分で終わった。

とっても助かったわ! ありがとう、ジョンくん
ほんとうにすごい。ありがとう
これくらい…。また手伝わせてください
ジョンはリビングを出る。咲良はその後を追った。
ジョ、ジョン・・・。あの・・・

あっ、そうでした。


空を飛ぶところを見せる約束でしたね、すっかり失念していて・・・

ううん、違うの。ジョンともう少し話がしてみたくて・・・。


魔法のこととかもっと知りたいな、って。


疲れて明日のお仕事に障りが出たらいけないし。


空を飛ぶのってすごくパワーが必要なんでしょう?

大丈夫ですよ。確かに昔は必要以上に力を使っていました。


例えるなら自転車の運転です。


補助輪がなくなって、ついには一輪車にものれるようになり…と、そんな風に段階を踏んで上達しました

なるほど
力に余裕があるので…どうですか。

咲良さんも一緒に飛びませんか?

えっ・・・
  つづく 
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登場人物紹介

帯刀 咲良  (たてわき・さら)


 高校2年生、剣術道場の娘。

ジョン・リンデン


イギリス人

インターポールの捜査官。

天羽 理々(あもう・りり)


高校2年生、咲良の親友

合気道部

ラルフ・ローゼンクランツ


ドイツ人

インターポールの捜査官。

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