第5話

文字数 560文字

そんなことのひとつひとつぜんぶ、自分に突き刺さる。
飛んでくるんだ、思ったそばから。
人間、自分に心当たりのない他人の欠点を論う事なんて出来やしない。
誰かを悪く思ったら、それは全部自分の中にある。
僕はあの日、きみから離れながら、そのひとつひとつとケリをつけて行った。
すごく辛い作業だった。
けれど、それできみと居たせいでクソみたいになった人生を、好転させられる気がして来た。
都合良いふたりがともに歩めば良い。
きみが僕にとって都合悪いの、10年も気付かなかったよ。
離婚してくれてありがとう。
ホントはわかってたんだ。
けど、嫌いになっても僕から切り捨てる冷酷さは、僕にはない。
きみは僕の金がない事が不都合だった。
けれども、僕の知性と品格、見栄えは捨て難かっただろうと思う。
ベッドもね。
僕はきみの都合良く使える玩具であり続ける事をやめた。
僕らは赤の他人、もともとそうだったんだから。
きみがそこで何しようと、そこで何されようと、関係なし。
そこまでを、脳内で整理出来た、ある意味爽やかさが溢れ出してたのかな?
そんな風に思います。

それでもまだ、僕は待っている。
きみが自分を変えるのを。
無関係に、待っている。
そして、僕の人生。
きみに教えてもらったたくさんの僕の悪いとこ。
気をつけながら、何か良いことありますようにと。

願って、ただ、ただ、進め。
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