第3話

文字数 1,096文字

・参考(主要登場人物)
凡例:名前の()は方言による発音の違いとする。

①リャール(リヤル)主人公。早くに両親を亡くし、幼い妹と支え合って生きてきた。妹の復讐を違い女装するが、なかなか板についている。
②ドゥーニャ(ドニヤ)リヤルの妹。村一番の美人で王の花嫁に選ばれる。物語は彼女の死から始まる。
③リー。陣の魔法使い。幻惑の竜使い、千年井守とも。幼い子供の姿をしているが、三千歳は軽く超えているらしい。性別不詳。呼び名はリー、リア、リナリア、噛みつき竜、リーカイクェ(柳彩雀)シィンラン(星嵐)など。神話に登場する勇者の仲間だとか噂もある。
④アル。リーの竜。真名はラス・アル・ハグェ。幻惑の竜で、見る者によって異なる姿に見える。数千年前に丁度良い階段井戸を見つけ棲処とする。稀に生え変わる鱗を涸れた井戸に落とせば忽ち清らかな水が湧き出るとされる。
⑤シェーラ。後宮の花嫁の一人。
⑥ザマーン。華胥の国王。

・参考(用語解説)
(a)華胥。国土の大半を砂漠が占めながら、雨乞い巡礼が盛んで人と物の流れは活発な為、文化や技術の発展は他に類を見ない。交易の要所として栄える王国。神の竜と十三卵の神話宗教が信仰される。
(b)女神の千年井戸もしくは女王の階段井戸。華胥を治める王家が管理する巨大な人工貯水池。神殿を兼ねる。雨季と乾季では水位が著しく異なる為、乾季は階段の奥深くまで降りることができる。井戸の水底には神の竜が棲まうという。
(c)雨乞い巡礼。広大な砂漠を擁する国にあり渇水に苦しむ地域は少なくない為、度々雨乞いの儀式が執り行われる。作法は地方によって細部は異なるが、概ね、穢れなき少女が徒歩で千年井戸まで旅をし、水面に浮かぶ竜の鱗を故郷の涸れ井戸に持ち帰る、というもの。雨乞いを成就させる巡礼者は決まって、千年井戸までの道中で蜃気楼に遭遇し壺を手に入れた上、その壺に竜の鱗を入れて帰る。壺の中に入り、気づくと故郷に戻っている、という話もある。
(d)神の竜と十三卵の神話。華胥の建国神話に繋がる伝承。混沌から神が現れ、孤独を覚えた神が己に似たものを生み出し竜となる。竜が翔けて空が染まり、雲が浮かび、風が流れた。ある時、空を破いて雷が落ち、驚いた竜は神を引っ掻いてしまいそれが元で神は地に伏してしまう。独りになった竜は、神の真似をして己に似たものを作り出そうとするが、上手くいかず、辛うじて十三の卵が生まれた。一つは己の番いとなり(神の竜の番い)他の六対十二卵は、後の六大古代種の祖となった。六大古代種の一つは有名な有翼人種であり、天の使いとして今日も我々華胥の民を守護あるいは監視する。天使のことである。
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