おやつ

文字数 280文字

「おかーちゃん。またあのおやつ作ってえ」
「今日はまたたくさん呼んでんね」
「うん。おかーちゃんのつくるおやつがおいしいっていったら
みんな食べたいって言うから連れてきてん」
「そうかそうか。ちょっと待っとれな」

しばらくしておやつの乗った皿が運ばれてきた。
「塩気がきいてうまいな」
「さくさくして、なんぼでもいけるわ」
「えびせんみたいやけど、どうやって作るん?」
「僕も知らんねん。おかわり作ってもらうね」

友人のひとりが便所を借りるふりをしてこっそり台所をのぞいた。
ユウジの母親が床に座っていた。
広告の裏紙の上でかかとの皮を剥いでいる。
次いで、集めたそれを油で揚げていた。




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