プロローグ

文字数 1,510文字

 「ご覧ください次々に原子力発電所に次々と旅客機が墜落して行きます。」
 キャー! ギャー! ヘルプ! ヘルプ!
俺はテレビを見ながら思った。いや全世界の人が思っただろう地獄だ・・・・・・と。

 ・地獄まで残り三十日・
 午前四時十三分ドアが勢いよくひらかれて特殊部隊が突入した。「頭の後ろに手を回して後ろを向いて跪け!」

「今日午前四時頃警察の特殊部隊が日本の国際テロ組織WREA日本支部に突入し無事逮捕しました。逮捕者十二人名前は・・・」
昼飯時のニュースのテレビから流れて来た。
俺は高田 総一郎。警察で特殊部隊の精鋭部隊通称NSFTの隊長をやっている。
今日、日本を中心に活動する国際的テロ集団通称WREAの日本アジトを潰してきた。ちなみに家族は嫁さんと、25歳の独立した一人娘の陽奈がいる。
陽奈は、海外の賢い大学に入学した。自慢の娘だ。何の仕事をしているかは知らないが今も海外で働いているらしい。
目の前に座っているのが俺の部下の中村だ。
「あー疲れたー」
「ちょっと高田隊長、あまりはしたないこと口にするといつ誰が聞き耳をたてているか分かりませんよ。」
喋りながらファイテングポーズをとる彼に少々苦笑いしながら答えた。
「あーすまない。」
「もう、しっかりしてくださいね。」
フグのほっぺたのようにブーとふくらませながら言った。
「テレビやってますね。」
中村は嬉しそうに言ってきた。
「なんてったってうちらは日本のテロ組織を逮捕した英雄だからな。今日はお祝いだー!たが、まだ事件はまだ解決していないから気を抜くな。」
エッヘンと胸を張って言った。後にいつもの引き締まった顔にもどった。
「その割には、高田さんはいつもの食堂に来られるんですね。」
俺はサンマの塩焼き定食を食べながら答えた。
「ん? ダメか?」
中村は胸の前で手をバタバタさせながら言った。
「そ、そうゆう意味ではなくて、その・・・
意外とお祝いの日なのにいつも通りとはブレないですね。」
最後に悪気のない渾身の笑顔がきまった。
「まあ、普通なのが一番良いと思っている。何事も普通が一番だ。」
俺はうんうんと頭を上下にさせた。
「まあ、そうですね。」
中村は苦笑した。なぜ苦笑しているのか気になったが。
高田の仕事用電話に電話がかかってきた。
「すまないちょっと出てくる。」
高田が食堂を去った直後、食堂のテレビが火力発電から原子力発電に電力源が全て切り変わったことについて解説していた。
「原子力発電について解説していこうと思います。今回は原子力発電の専門家、宇梶 信行さんに来て頂いております。宇梶さんよろしくお願いします。」
宇梶は白髪で声がガラガラの人だったが優しそうな雰囲気の人だった。
「よろしくお願いします。」
二人が社交辞令を済ませたあと、ニュースキャスターが本題に入った。
「原子力発電のメリットとデメリットはどうゆうところなのでしょう。」
宇梶はガラガラの声で答えた。
「メリットはやはり地球温暖化にやさしく、大気汚染になる酸化物は発生しないところですかね。デメリットはねえ事故が起こったら大変危険ですね。ああ、あと、もしも――」
突然画面が切り替わり別のニュースキャスターが出てきた。
別のニュースキャスターが青ざめた顔で言った。
これからもっと青ざめると知らずに。
「皆さん落ち着いて聞いてください。WREAが日本にインターネットの動画投稿サイトにて、『徹底抗戦』を宣言しました。繰り返します。WREAは日本に『徹底抗戦』を宣言しました。」
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