1-5 所長の圧がすごい
文字数 882文字
再び舞台が暗くなり、スクリーンには老人の姿が映し出される。
深い皺が刻まれた痩せ型の姿は、見ている者に畏敬の念を抱かせる。
鋭い眼差しとともに、威圧に満ちた声でその老人は語り始めた。
……銀騎 詮充郎 で御座います
本日は当研究所にお越しいただき、厚く御礼申し上げる
私は自らの探究心に従い、この世界の真理というものを追いかけ続けている
一般民衆の諸君、疑問に思ったことを放棄するべきではない。何故ならそこには必ず矛盾があるからだ
考えることを止めるな。考え続けることだけが、我々人間に与えられたただひとつの武器なのだから
あまりに一方的な言葉に、会場中が気圧されて静まり返った。
まばらな拍手とともに