ルー・リード&メタリカ LULU

文字数 790文字

ニック・ケイブ&ザ・バッド・シーズ「マーダー・バラッズ」と
ケン・ラッセル「ボンテージ」を思い出した

ルー・リードでもメタリカでもないアルバムと本人たちが言う、luluという戯曲を基にした作品。軽く聞き流せない重い歌詞とそれを活かすためのメタリカの新しい試みのサウンド。

切り裂きジャックに虐殺される娼婦ルルの独白と彼女を取り巻く男たちの独白の歌詞

戯曲のルルの原作は、フランク・ヴェーデキントの通称「ルル二部作」、「地霊」「パンドラの箱」
浮浪児ルルに魅せられた男たちの没落と魔性の女が切り裂きジャックに殺されるまでのファム・ファタール物。オペラや映画「パンドラの箱」がある。切り裂きジャック事件から着想、事件は1888年で原型は1894年に完成、つまり事件からの6年後の切り裂きジャック物でもある。ホワイトチャペル殺人事件は1891年まであるので、直後と言えるかもしれない。


「ボンテージ」から溝口健二の映画「西鶴一代女」「雨月物語」戦後の赤線の女たちを描いた作品もイメージした
社会に対する復讐としての売春という女主人公がルルのイメージと重なった。ルルは魔性の女でボンテージの女主人公とは違うと調べたら分かったが、最初のイメージなので、違ってもOK
春を売る悲哀のイメージとして溝口健二の作品とリンクした。ルルは溝口健二の女たちとも違う
ヴェーデキント曰く、ルルは既成の道徳にとらわれない愛すべきかわいい女で妖婦ではない

洋楽は歌詞はあまり気にしないので、題名やジャケットなどのイメージで聴いているので、対訳歌詞を読んでイメージと違う時もあるが、それぞれ違った感想で聴けるので気にしない。

つまり、娼婦と殺人のイメージで聴いていたということ。娼婦と殺人鬼の気持ちに寄り添うということ。


ニック・ケイブはヴィム・ヴェンダースのベルリン天使の歌で初めて知った。
聖書や文学作品からの引用が多いいロック詩人
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