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エピソード文字数 546文字

 あたしは黒紅連合の総長になったばかり。対立する月華の総長と信也に、こんな過去があるなんて知らなかった。

 信也はあたしをベッドに押し倒した。
 ベッドがミシミシと軋む。小さなテーブルの上には2つのカップラーメンが仲良く並ぶ。

「信也……カップラーメン伸びちゃうよ」

「俺は、今、紗紅が抱きたい」

 さっきよりも激しいキスに、戸惑いながらも身を委ねる。

 信也をこんな風に駆り立てたのは、辛い過去を思い出したから……。

 まだ知り合ったばかりだけど、あたしはずっと前から信也のことを知っていたような気がする。

 出逢ったばかりのあたしたち……。
 でも、こうなることに抵抗はなかった。

 静かな室内で、唇が重なり合う度に小さな水音が漏れた。

 鼓膜に響く水音と、漏れる吐息に全身が熱を帯びる。信也はあたしにキスを繰り返し、洋服を脱がせ体を愛撫した。

「感じるままにもっと乱れろ」

 耳元で囁かれ、あたしは羞恥心を捨て本能のままに信也を受け入れる。

「……信也」

「さ……く……」

 あたしを抱きながら、『さく』と名を呼んだ信也。

 あたしは……
 信也に抱かれながら、閉じていた目を見開いた。

 信也はいま……
 あたしではなく、死んだ恋人を抱いているんだ。
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登場人物紹介

斎藤紗紅(さいとうさく)16歳

レディース『黒紅連合』総長

 斎藤美濃(さいとうみの)17歳

紗紅の姉、家族想いの優等生

 織田信也(おだしんや)20歳

紗紅の交際相手

元暴走族

 織田信長(おだのぶなが)

戦国武将

明智光秀(あけちみつひで)

戦国武将

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