詩小説『夜更けにひとりで漕ぎ出す小舟』3分の失った恋。全ての大人へ。
エピソード文字数 358文字
夜更けにひとりで漕ぎ出す小舟
ガラスの灰皿に、星屑を散りばめて。
煙のため息に、さらわれて、舞い上がる。
空のグラスには、抜け殻の私を重ねて、
後何杯、呑んだところで満たされないのね。
ネオンの通りは寒風に澄み切っていた。
この街にも、もうすぐ冬が来るのよ。
夜更けにひとりで漕ぎ出す小舟。
風の便りはないわ、あなたには、
辿り着けや、着けやしないわ。
街の映画館に、あの洋画が来たよ。
チケットは一枚、字幕は滲んだ。
哀しいシーンには泪して、
歓びのシーンには笑み零れ。
隣の横顔には幸せを感じて、
ひとつ空いた席を見た。
帰れるはずない想い出を旅する。
彷徨って、日が暮れて、
今日も、歩き疲れたわ。
夜更けにひとりで漕ぎ出す小舟。
風の便りはないわ、あなたには、
辿り着けや、着けやしないわ。
ガラスの灰皿に、星屑を散りばめて。
煙のため息に、さらわれて、舞い上がる。
空のグラスには、抜け殻の私を重ねて、
後何杯、呑んだところで満たされないのね。
ネオンの通りは寒風に澄み切っていた。
この街にも、もうすぐ冬が来るのよ。
夜更けにひとりで漕ぎ出す小舟。
風の便りはないわ、あなたには、
辿り着けや、着けやしないわ。
街の映画館に、あの洋画が来たよ。
チケットは一枚、字幕は滲んだ。
哀しいシーンには泪して、
歓びのシーンには笑み零れ。
隣の横顔には幸せを感じて、
ひとつ空いた席を見た。
帰れるはずない想い出を旅する。
彷徨って、日が暮れて、
今日も、歩き疲れたわ。
夜更けにひとりで漕ぎ出す小舟。
風の便りはないわ、あなたには、
辿り着けや、着けやしないわ。