人間代表になりました!
文字数 1,815文字
周りを見渡しても鉄筋だけになったビルや苔だらけになった店の看板など機能をなしていない街が目に入った。
辺りを見回すが、人影は見えない。ただ風に吹かれて積もった砂がさらさらと流れていくだけだ。
何か少しでも生きた物の鼓動を感じたくて耳を澄ませる。
もしかしたら足音や物音が聞こえるかもしれない。
風が周りの音を遮る。
意識を集中するんだ。風の音は切り取ってそれよりも遠くで何か音が鳴っていないかに意識を集中しろ。
弓矢を持った少女とゴスロリの幼女が激しい戦闘を繰り広げながら主人公の前に姿をを現した。
あまりの声の大きさに戦いに集中していた二人の意識が主人公へと向けられた。だが横の敵を意識しつつも武器をこちらに向けている状況で俺が危険なことには変わりない。
貴方何も知らないの?まぁいいわ教えてあげる。
この戦争は三大種族が生き残りを掛けた戦いなの。一つは魔族そして獣族あとなんの力も持たない人間ね。でも戦争が始まって直ぐに私とそこの獣女があなたたち人間を滅ぼしたわ。それからは魔族と獣族がただひたすらにしのぎを削っていたわけ。
とにかくその場を離れなければとどこに向かうでもでもないが走り出した。
走りながらこれからこの世界でどうやって生き残っていくかを考える。
後ろから二人が終わってきているかはわからない。ただ今はとにかく安全な場所へ逃げるだけだ。その後のことはゆっくり考えればいい。
この世界に俺がどれだけの間いるのかもわからないし、もしかしたら元の世界へ帰れないのかもしれない。それでも目の前に置かれた状況を楽しむことはできる。