卒業式【小学校】
文字数 503文字
桜のつぼみがまだ目立つ春の日、僕は小学校を卒業した。
卒業式後、校庭に全員が集まった。もう最後、今日はずっとそう思っていたはずなのに、別れが来るのが嫌で嫌で仕方がない。何とか時間を延ばそうと、写真を撮ったり、会話をしたり。今思えば、少しの時間稼ぎにもなっていない。
式から時間がたつにつれ、人の集まりは解け、バラバラになっていく。気づいたら、もうほとんど人影はない。非日常的な日だったからか、気分が高揚していて、まだ少し肌寒い気温なんか、気にも留めていなかった。
「またね」と友達が背を向けた。毎日のように言っていたその言葉に、僕は何の疑問も抱かなかった。でも、僕と友達の中学は違う。中学生は、部活もあり、授業も50分になり、とても忙しい。そのことに気がつかなかった僕は「またね」と一言。
中学生になりその子とは、遊んだり、ゆっくり話したりできていない。今考えれば、小学生の僕は”あのとき”は最初で最後、もう戻ることは無い、と気づいていなかったのだろう。
この「瞬間」は二度と戻ることは無い。意識することは少ないかもしれないけど、意識しなければ気づくことはできない。そのことに気付かされた、大事な経験だ。
卒業式後、校庭に全員が集まった。もう最後、今日はずっとそう思っていたはずなのに、別れが来るのが嫌で嫌で仕方がない。何とか時間を延ばそうと、写真を撮ったり、会話をしたり。今思えば、少しの時間稼ぎにもなっていない。
式から時間がたつにつれ、人の集まりは解け、バラバラになっていく。気づいたら、もうほとんど人影はない。非日常的な日だったからか、気分が高揚していて、まだ少し肌寒い気温なんか、気にも留めていなかった。
「またね」と友達が背を向けた。毎日のように言っていたその言葉に、僕は何の疑問も抱かなかった。でも、僕と友達の中学は違う。中学生は、部活もあり、授業も50分になり、とても忙しい。そのことに気がつかなかった僕は「またね」と一言。
中学生になりその子とは、遊んだり、ゆっくり話したりできていない。今考えれば、小学生の僕は”あのとき”は最初で最後、もう戻ることは無い、と気づいていなかったのだろう。
この「瞬間」は二度と戻ることは無い。意識することは少ないかもしれないけど、意識しなければ気づくことはできない。そのことに気付かされた、大事な経験だ。