第3話

文字数 401文字

智子は優等生で、先生のお気に入りの学級委員長だ。智子に睨まれたらあとあと面倒だ。俊一たちは大人しくなり、黙々と、給食を食べだした。
惣太はおろおろしながら2人を見比べていたが、やがて俊一の前で下を向き、だまって給食を食べ始めた。


時は流れ、惣太たちは30歳となった。
その年の夏、きさらぎ台西小学校4年3組の同窓会が開かれた。
惣太は高校卒業後、よしもとNSCに入り、高校の同級生と組んだお笑いコンビ『犬語ゴゴ』として連日テレビに出る売れっ子芸人になっていた。

人気芸能人となった惣太の周りを俊一や他の元クラスメイトが囲んで、花が咲いたように賑わっていた。遠くからそれを眺めていた智子は輪に近づき、惣太に声をかけた。

「大前くん、久しぶり。今やすごい有名人ねえ!」
「あ、吉川さん、ありがとう。何というか、僕にはお笑いしかないって思って頑張ってたら、いつの間にかこうなってた、っていうか、ハハ」
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