戦場の記憶

文字数 353文字

剣を握る手に力が入る。強く地を蹴り、一直線に駆け出す。
敵兵を切りふし、前へ前へ
率いた兵達も続いて敵兵にぶつかっていく。副団長が兵達に指示を出し、自らは数人の兵を相手取りなぎ倒していく。後ろはあれに任せておけば当分問題ないだろう。自分の周りの敵を切り、孤立しない程度に少しずつ前へ進む。
振り下ろされる剣を鎧で受け、敵兵の体にとられた剣を引き抜き反撃の一撃。その間他方から飛びかかってきた敵の剣を蹴り、弾き飛ばす。武器を失ったその兵を薙ぎ払う。
後ろで剣を振るっている副団長の背後から敵兵が迫っていた。
「バーラ!」
しかし危ないと声をかける前に、先ほど蹴り飛ばした剣が彼に襲いかかる敵兵の脳天へと突き刺さる。
全く運のいい男だ。幸運の騎士と言われる彼の奇跡を目の端に捉えた私は、また自分を囲む敵へと意識を集中させた。
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