守り神

文字数 306文字

私は彼を守る為に生まれた。

彼は嘗て私にとっては弟のような存在で、弱虫で泣き虫な少年だった。同い年ではあったが、お姉さんぶりたい年頃だったこともあり、私はそいつの面倒を見ているつもりで大層かわいがった。
そうしてそいつが泣きだすたびに少し呆れたふりをしてこういうのだ。
『全くお前は弱くて情けない奴だ。私が守ってやらねばな』


そんな少年も今や私を追い越すほど大きく育ち、凛々しい顔たちに威厳ある立ち居振る舞い。どんな相手にも臆することなく自国のために凛と立つ立派な男となった。
私の今の夢は彼の隣に立つこと。
彼をただ守るだけではない。その志の元に共に立ちたいのだ。
私は彼の命と志を守る一刀。そのために私は生まれたのだから。
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