第1話

文字数 308文字

 その頃のお話が、嘘か真かもう分かりようもない頃の昔、星々が永遠の眠りについた。いつかは夜がひとりぼっちの月のみが照らすようになった時には、人々は空を見上げなくなった。だからだろうか、いつかは星が伝説になり、人は空に神々の説話も見いだせなくなり、気づけば現実第一主義のきらいを帯びた。そんな最中、1人の少女がいた。彼女は図鑑が好きだった。途方もないスケールの知識の渦に巻き込まれることを愉悦としていた。多少のM気質だったかもしれない。特に好きなのは星空図鑑で、その中でも天の川がお気に入りで自らのランドセルに忍ばせては、我が家の紋所のように扱っていた。
 この物語は、そんな彼女と周りが星座のように織りなしていくお話。
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