(二)-8

文字数 263文字

 地下鉄の駅に入り電車を待つ間に、依頼人の南平さんに電話をし、絵がギャラリー広尾にあると伝えた。彼はすぐにその画廊へ向かうと言って電話を切った。
 その日出勤後、夜に仕事を終えると南平さんから携帯電話に着信が残っていた。会って話がしたいということだった。すぐに折返をして、駅で会うことにした。

 駅で南平さんと落ち合って、近くの洋食レストランに入った。南平さんはややあせっているように見えた。
 彼は昼に画廊に行った。そして絵を取り戻そうとギャラリーの人と交渉したが、販売はできてもただで譲ることはできないということだった。

(続く)
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