文字数 1,046文字

「やだ…なんでよぉ……」
「……」
「…ごめ…んね……」
「私のせいです…ごめんなさい……!」
「イビス……」
大切な仲間が死ぬのを 黙って見るしかなかった
刺さった矢 流れていく血 効かない回復魔法
俺達には 何も出来なかった
「イビスぅ……ごめんね…」
「頑張…って……」
そう言って イビスは亡くなった

「…ィ……イ…」
何か……聞こえる…
(バシッッ!!)
「ケイ!!」
「っいってぇな!」
「あぁキスゲちゃん…叩くのは無しって……」
「こいつがボーッとしてるのが悪いんだろ!」
あれ イビスが生きてる
「でも…ケイくんだって痛いし…」
「お前は少し優しすぎるんだ!もっとなぁ!」
「まぁまぁ……お二人共ぉ…おちついて…」
「そだよ…ちょっとうるさいよ」
「…ったく……」
…なんで今 生きてるって思ったんだろ
「少し キスゲは荒っぽいんだよ」
「何!それを言えばお前は逆に静かすぎる!」
「もぉ…おちついてよぉ……」
「あははっ…」
あれ……この後…待って
(ヒューン……)(グサッッ!!)
「ゔっ……」(バタッ…)
「…は……?」
「…イビスっ……イビス!」
「ど…どいてくださいっ……!」
ウメの回復魔法…効かないんだっけ……
「ウメ……」
「魔法…効きません……なんでっ…!」
「な…んで……」
「ゔ……っ…」
全部…見た事ある……
「やだ…なんでよぉ……」
全部全部全部……!
「……」
「…ごめ…んね……」
「私のせいです…ごめんなさい……!」
やだ…
「イビス…ごめんね……」
「頑張…って……」

「ィ……」
まただ……!
「ケイ!!」(バシッッ!!)
「ってぇ……」
「あぁキスゲちゃん…叩くのは無しって……」
「…イビス……」
絶対に…今回は死なせない…
「こいつがボーッとしてるのが悪いんだろ!」
「でも…ケイ君…だって……」
「イビスさん…?どうしたの……?」
「ケイ君…どこみてるの?」
「あっちには…岩しかないだろ?」
「……」(ヒューン…)
やばいっっ!
「イビスっ!!」(ガシッッ!!)
「うわぁっ!」(バタッ…バタガタッ……)
「ちょ…!お前ら何やってる!!」
「お二人共…大…丈夫…ですか…」
「はい…立って」
「イビス…」
生きてる…やった…俺…やったぞ……
「…って…これ……矢ですか…!?」
「矢?! なんでだ…?!」
「誰かが意図的にやったとしか…」
「ケイ君…もしかして助けてくれたの?」
「あ…急にごめん…」
「ありがとう…本当に…」
「イビス…うん…うんっ!」
俺は…やる事をやれただろうか…
「…なぁんかいい話だな…」
「はい……」
「よっしゃ!行くか!!」
「”おう!”」

Ⅰ 終
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