『 清峰 鋭 (きよみねえい/リレキセス・ジュンナール)の物語 1 』

文字数 3,679文字

[『 清峰 鋭 (きよみねえい/リレキセス・ジュンナール)の物語 1 』]
 (@1995.04.08〜) .
(http://76519.diarynote.jp/200612012207370000/)[(@1995.04.08〜) .](http://76519.diarynote.jp/200612012207370000/)

2006年11月30日 [連載(2周目・最終戦争伝説)](http://76519.diarynote.jp/?theme_id=4)

> うちの主要キャラクター(?)のうちでは最長寿の部類ではなかろうか? 惑星・地球の滅亡(文化・文明ではなく“星の”消滅だ★)を見届けているので、少なくとも億単位で、同一の肉体(うつわ)を使って生存していたことになる。その旅の全貌……なんてものは作者にだって謎のままである。はっきり言って知りたいとも思わない★




惑星(地球)、西暦1900年代の終盤の生まれ。正確には人類ではなく、“半神人”に近いが、本人がそれを知るのは成長して後のことだった。

父親は普通?の人類(ひとぞく)である日本人戦場カメラマンの磯原岳人(いそはら・がくと)。内乱中のアフリカ(もしくは中東?)奥地の岩砂漠において乗っていたジープごと地雷を踏んで遭難した彼を、偶然(ではないが)発見し、興味半分で救ってしまった水霊の末娘(アトル・ウルワニ)が、岳人の精神の毅さに魅かれ、水の太霊である母親の意志に背く (人類の数え方でいう西暦1900年代、2つの大戦とそれに重複した自然破壊の深刻さに怒った水の太霊は、とうとう精霊たち全てに呼びかけて人類を滅ぼすべく行動を起こし始めていた) と知りながら、人類と精霊との新たな契約の証として創り出した生命(うつわ)である。

磯原岳人は、近隣で活動中だったNGO『国境なき医師団』(たぶん☆)の看護婦であり、白の一族の娘でもあった第5の(ミーニエ)マリセに救われて日本に戻り、後に植民者連合(コロニスツ)世界を中心として歴史に名を残した磯原清らの父親となる(これはまた別の物語である)。

水の末娘は、史上唯一の“水の息子”(アトル・ウルワー)の養育を、父親?の出身地である島国の、山中の清浄な(水が豊富ではあるが海=水の太霊の版図=からは遠い)町に住む人類に託すことにし、水の姉娘たちの密かな協力と加護のもとで、その子供は育つことになった。
人界の用語?で言えば日本の長野(山梨かも)の田舎町のはずれにある、キリスト教会付属の愛護園(孤児院)の玄関先で、生後まもない捨て子として発見され、その雨上がりの朝、町を見おろす南アルプスの峰々があまりにも美しく峻険であったことから、園長によって“清峰 鋭 ”と命名された。質素ではあるが愛情と信仰心に恵まれた穏やかな環境であった。

その当時(西暦2000年代初頭)、日本国における政治?状況は悪化の一途をたどり、いまだ表面化はしていないものの、内部での武力によるクーデター(暗闘)の結果、『センター』と呼ばれる軍事(研究)機関が、多大な権力を握るようになっていた。
彼らは国民の総背番号化による動向の管理や、TVなど電子メディアへの介入(サブリミナル操作等)による思想の統制・方向づけを図ると同時に、優秀な素質を持つ子供を集めて早期教育を施し、次世代戦力の中核にしようという生体実験のプロジェクトを進行させており、その一貫として保育・幼稚園と小学校各学年における知能テストの普及強化が行われた。

清峰鋭は、乳幼児のころから異様に泳ぎが得意で、水難事故にあっても平気で生還するわ、寒中水泳に参加させれば何時間でも喜んで雪の降る海に潜っているわで、周囲の大人は少々肝を冷やすが、それ以外では従順で善良な性格の、おとなしい(無口な?)子供として、むしろ目だたないように振る舞っている。早熟で高い知能と人格とを持っており、小学校低学年にして大人の新聞を平気で読みこなし、園長名義で図書館から専門書を借りてきて読みあさるなどの芸当も、誰に教えられた訳でもなく弁えていた。
が、どうやらこれも謎の人物で、政治?の暗黒部分?の情報を、ある程度もっていたと覚しい園長の忠告に従って、その発達した知性を外部には漏らさないよう、注意して行動する習慣を身につけていた。学校のふだんのテストはもちろん、『センター』による統一知能テストでも、“やや利口”以上の点をたたき出すことがないよう、計算して解答していたフシがある。

しかし近所のマニアックな理工系の大学生と、ついうっかり“対等な”友人づきあいをしてしまった結果、口コミでその存在が『センター』に知られてしまい、『早期教育プログラム』の対象者として育った町から引き離されることになった。逆らえば園長の地位に圧力がかかり、つまり愛護園のほかの子供たちが行き場を失う事になるという脅しを受けて、やむなく『同意書』にサインを取られ、泣き伏す園長に簡単な別れを告げただけで、鋭は『センター』さしまわしの護送?車に乗せられた。彼本人の感覚から言えば、この時が、すべての“旅”の始まりとなっている。

これに間一髪で間に合わず、地団駄を踏んだのが『朝日ヶ森』の行動部隊である小学部の子供たちである。清峰鋭の天与の才については、『朝日ヶ森』関係者?である園長から早いうちに報告?がなされていたが、息子同然に愛情を注いでいた園長が、できれば手元に置きたいと望み、本人もそれに同意していた為、『朝日ヶ森』への編入は中等部以降という話になっていた(らしい)。が、『センター』の調査が身辺に及んでいると察知した『朝日ヶ森』が、しばらく迷った後に迎えの部隊を出した、その一足違いで、身柄を拘束(ほとんど誘拐)されてしまった訳である。

この迎えの部隊の謎の行動にひかれて救出作戦に同行したのが、清峰 鋭 に淡い初恋?を抱いていた同級生(小学4年生)で、当時は事故で両親を失ったショックにより言葉を失くし(全完黙症?)ていた楠木律子である。彼女には、その両親にからんだ別の物語において精霊族の不思議との関わりがあり、その血筋と才を見いだされて、救出作戦の後、『朝日ヶ森』に編入の運びとなった。後の『朝日ヶ森』第?代理事長である楠木女史その人であり、清峰 鋭 の息子(アトゥルヤー・アイラーヤム)を産んだ高原律子(たかはら・りつこ)を『朝日ヶ森』大使?として大地世界(ダィレムアス)に送り込んだ、実の祖母であり養い親でもある。

鋭は『センター』の北海道支部?へ護送の途中で、同じ車に乗り合わせた『朝日ヶ森』からの少年スパイ?、燎野(リョーノ)と知り合う。実験体として『センター』に捕らえられた精霊族の血をひく友人、ティシール・ティシーリアを救出する為に無謀とも思える『センター』侵入を敢行した彼は、ティシールとの再会を果たした後、脱出に失敗して二人ともに落命した。

この時、『センター』側の実験体として合成されながら、長じて実権を握る(少なくとも権力闘争で互角に渡り合う)までに成長していた少女(コードネームは無津城(NATSUKI))が、同年代の唯一の知り合いで、あるいは恋心が芽生えていたのかもしれない燎野の逃亡を助ける為に『センター』を裏切る行動をとり、絶命させられた。

彼女の生体脳を取り出して機械脳にリンクさせたものが後々『センター』の中枢頭脳としての役割を果たすが、ナツキの亡霊?の意志によって、キーワード『リョーノ』を知るものなら誰でも最優先で命令を下す事ができるという裏プログラムが付与された。

(このプログラムによって杉谷好一・当時13〜4歳?が会田正行に命を救われてしまい、結果として23世紀の地球文明の命運を分ける事になった。また、このパスワードを知る者が21世紀半ばで全滅?していた為、忘れられたまま消されることもなく存続しており、23世紀に入って再び杉谷に活用されている)。

この時の騒動に乗じて清峰 鋭 は『センター』からの自力脱出に成功したため、結果として楠木律子と同行していた『朝日ヶ森』救出部隊とは行き違う。
北海道は帯広南部?の川から下って海をわたり本州の北部まで?、ほとんど泳いで!(ほんとーか〜っっ!?)、逃避行を続けた彼は、さすがに体力?の限界を極めて行き倒れ寸前のところ、別の目的で山中を移動していた『朝日ヶ森』の有澄真里砂(ありずみ・まりさ)(大地世界(ダレムアス)での名称は皇女マーライシャ)らのグループに拾われ、何とか無事に『朝日ヶ森』へと辿り着いた。

そこで半年ほど休養を兼ねて学生として暮らした後、文系?である『朝日ヶ森』の姉妹校で、スイス?にある理工系の『アロウ・スクール(仮称)』へ転校(国外逃亡)するのが本人の希望であったが、直通の密航船が来るより早く、皇女であるマーライシャの迎えの魔法?に巻き込まれて大地世界へ抜けてしまった。この時、地球年齢で11歳ぐらいであった。

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