第26話

文字数 1,028文字

第26回■



ボラードは、ヨーロッパ、ポーランド。ワルシャワにある国家安全局の一部屋に



すわらされていた。新薬研究はソビエト連邦軍よりの指令だった。



ソビエト連邦軍は、自国の衛星国の1つに依頼していた。



「ソネ将軍、なぜ、私がこのような扱いを受けるのか話してほしい」



「ボラード君、まだわからないのか。私は、君に、戦場の兵士の恐怖感を減



少させる薬を作れと命令したはずだ」



緊急にに呼びだされ、国家安全局にいるソネ将軍は機嫌を悪くし



「将軍、だから、私は兵士の気分がパッピイになる薬を作ったので

すよ」



「私は君の報告書を涜んだのだよ」



「それじゃ、充分、あの薬についてはおわかりの、はず、ですね」



「が、君は恐るべき点を指摘していた。薬物JP359が、ある種類の超能力者に与えられた場合、



その投与者の「妄想」が、現実の世界として実現されるという、これは事実かね」



「そうです。いやそれ以上といった方がいい。自分の超能力に気づ



いていない人間の超能力も目ざめさせらる働きをするのです」



「という事は、この今ある世界の基準値が崩壊するという事だ」



「そうです。逆にいえばそれゆえにJP359は、恐るべき兵器となるのです」



 ポラードは、少しだまって、それから言った。





「その能力を使える者は、新らしい世界の創造者ともなれるわけですよ」



ポラードは。ソネ将軍を見てニヤリと笑う。



ソネ将軍は、青ざめ、そしてゆっくり言った。



「わかった。薬物JP359の使用を停止するように説得する」



ソネ将軍は厳然といい放った。将軍は厳然といい放った。
ボラードは顔色を変えた。
「なぜですか。なぜこんなすばらしい薬物兵器を」



「すばらしい兵器だと。君は、、この世界を滅亡させてしまうような兵器だぞ」



「将軍、いいですか、私達人類は、核爆弾という、本当に人類が、消滅する兵器



の上に住んでいる。それに比べれはJP359がどんなにすばらしい兵器



かおわかりにならないのですか。



JP359は実際に人を殺しはしない。人間をハッピイな気分にし、開放させ、攻



撃野本能を失しなわせてしまうのですよ」





ソネ将軍は、絶望の表情でつぶやいた。





「ジェイ=ボラード、、、君は狂っているよ。JP359は、一種のドラッグではないか、



こんな薬を戦争状態に使えると思っているのか」



「どうするおつもりですか」



「早刻、製造停止だ。君は、監獄に入ってもらおう」



ボラードは笑っていた。



「ソネ将軍、もう遅いですよ」



(続く)

1975年作品 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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