また 騙されたのかな

文字数 536文字

 私ってどうもカモにされやすい体質なのかも知れない。
 学生時代の時からの友人は今は誰とも繋がりはないし、仕事をしていた時の友人と思っていた人とも年賀状だけの付き合いになっている。女風俗の駿(すぐる)くんと、エステの美奈子さんしか話をする相手はいない。ただし、仕事は別で。

 SNS全盛のこのご時世だから、キャッチーな出会いはいくらでもウエルカム。
 だけど、今は駿くん以外に増やそうとは思わないのはなぜだか分からない。本番以外なら何でもOKだけれども、実際はここだけの話ねと普通に本番もこなしてくれる駿くんは大学院生で、親からの仕送りも絶えてお金が必要だからこのアルバイトを始めたと私には言った。本当か嘘かただすつもりはない。ただ、彼を失うことが怖いから。今はまだ店にいるけれども、いつ消えてもおかしくはない。そんな関係が三ヶ月ほど続いている。
 あるとき店に指名をしようとしたらリストに彼の名前がない。
 私は必死になって店に電話をした。
「ゴールドダイアモンドです」
「あの、城恵美です。駿くんはいますか?」
「ああ、どうしましょう。いつもご指名ありがとうございます。恵美さん、こちらも困っていましてね。急に抜けたいと言いまして。ごめんなさい、他の子ならご用意できますが」
「いやよ」
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