時計

文字数 548文字

あの日見ていた不死鳥の涙に寄せて
何かを書こうとテーブルが弾けそうな輪郭を帯びて
心の中のセンチメンタルがひび割れていくのを
暗い洞窟が見ていたから、きっともう帰れない
過ぎ去った年月が、もう一度浮上して
古くなった手紙をただ空間の中に滲ませる
それはどんな音楽で、今でも続く接点はきっと
離してくれないから苦しむのだろう
だれもが結合した中で、パズルを探している
断絶していれば天使は二度振り返るかもしれない
ピアノの音は夢物語の束の間
睡眠に似ているのは蛍光灯の光で
その中に、住む固体すらも、今では流れ星のように
くらくらと回っては戻る、それを繰り返しているから
誰かが見せた本の中に引き裂いた
茜色の想像に任せて、今夜も溶けていく
全てが終わったら、もうじき離れていく
だから彼はそこにいなかったので、
音も虚しく散っていくしかなく
ただ感覚に似せて、様々なものを探していたようだ
もう一度、振り返れば悪魔の左腕には
火で汚れた、感覚がねっとりと纏わりついて
誰も話してくれないから
それでも輪郭を抜いて、気力を失った
今ではもうそれ自身が変わろうとしているので
夢の世界は短時間の睡眠で出来ているから
食事はいつも決まって、テーブルが置かれて
嘆くのはその先の道に広がっていく
今でも思う、無数の針の
死んでいった海の中を
そこまで届きそうだった
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