【創作落語】嫁入り小噺

文字数 355文字

結婚を「人生の墓場」たぁよく言いますが…
あたくしも弟が先に嫁を見つけた時にゃ、なんだか先立たれた気分になりました。
縁起でもないですね。

結婚を明日に控えた若旦那のところへ、しっかり者の長兵衛がご挨拶に来た。
「若旦那。今日は生涯でこれ以上ない幸せな日ですなぁ」
「結納は明日だぜ?珍しくうっかりしてらぁ」
「知ってるよ。だから今日が一番幸せなのさ」
これじゃお祝いじゃなくて余命宣告ですな。※1

えーともう一席。
鼠年生まれの娘が嫁に行きましたが、じきに帰ってきた。
「どうしたんだい。優しくて甲斐性のある男だったろう」
「ええ。姑さんとも仲良くいってたんだけどねぇ」
「結構じゃないかい」
「でも、みんな猫撫で声なんです。どうも背中がかゆくって」※2

※1 結婚したら人生の墓場行きなので結婚前日に祝いに来た
※2 鼠年なので猫が苦手
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