第1話

文字数 2,512文字

起)旅立ち
 ここは人間と魔物が住む世界。昔、洞窟で勇者が魔王を封印し、それ以降は勇者の家系が代々洞窟を守っている。
 主人公のアイスンは代々勇者の家系だが、本人は勇者になりたくない。なぜなら、勇者になるととても目立ってしまい、色々な依頼を頼まれることが面倒くさいからだ。アイスンはもっと自由に気楽に生きていきたかったので、12才の誕生日の翌日に、家族には修行と嘘をつき、家を出て一人旅を始める。
 村を旅立ち、洞窟を進むと魔法戦士の少女ミレア(12才)と出会う。王都内で再会し、二人は一緒に旅立つことになった。
実は彼女はマロヤカ王国の姫で、姫でいるのが嫌でずっと外の世界へ憧れていた。姫としてできないことが数多くあり、もっと自由になりたかったのだ。国王からは一緒に旅立つ仲間がいれば旅立ってもよいと許可をもらっていたが、姫であるため、誰も旅をしてくれる人が見つからなかったのである。(ただし、国王との約束で旅ができるのは一年間だけ)
こうして互いに勇者と姫であることを隠して、二人旅が始まった。しかし、実際はアイスンにばれないように姫の護衛として従者が二人付き添っている。二人は姫を守るため、旅の途中でさりげなくモンスターを狩っていて、アイスンとミレアは強いモンスターに遭遇しないのであった。

承)新たな仲間との出会い
 旅をしているうちに新たな仲間が4人増え、6人で旅をする。4人は魔女に何でもかなうと言われて契約を交わしたものの、契約後に騙されていたことに気が付き、魔女を探しているのだった。魔女からは力の大部分を奪われてしまい、彼らは従来よりもだいぶ力が弱くなってしまった。アイスンは魔女に興味はなかったが、途中の場所まで目的地が一緒だったため、同行することになった。アイスンの目的地は凄腕の転職おばばの店に行くこと。
・キューティーナ 格闘家の少女 (魔女には物理攻撃力を奪われた)
片思いの男の子の好みに近づきたくて、魔女と契約した。男の子は自分より背が低かったため、小さくかわいくなりたいと願うと、人形くらいの大きさになった。現在はツインテールでとてもかわいいお人形の姿になっている。
・ゴールド 魔法使いの少年 (魔女には魔法力を奪われた)
 スラム街出身で、魔法力がとても高く、魔法力を魔女に売り、金をもらった。
・ハーピー 音楽家の少女 (魔女には魔法攻撃力を奪われた)
 ずっと探していたハープが見つかったが、古すぎて直す術がなく、困っていたため、魔女に直してもらうことにした。結果、ハープはすぐに元通りのオンボロに戻ってしまった。
・キュウ イケメンの弓使い (魔女には体力を奪われた)
 恋のキューピッドに憧れて魔女と契約するが、何の効果も得られなかった。

転)俺は勇者になる!
 旅を始めてから一年になる前日にミレアは仲間たちが探している魔女とは知らずに魔女に出会い、もっと長く旅ができるように願う。ミレアは契約後、旅を出てからの記憶を失い、魔法防御力を奪われた。姫の従者により記憶がなくなったこととミレアは実は姫だったことが仲間たちに明かされる。翌朝、迎えが来たため、ミレアたちはそのまま城に戻った。
アイスンは突然の別れで内心モヤモヤしていた。そのため、もう一度ミレアに会って、正式に旅を始めることを決意する。しかし、姫がいるマロヤカ王国へ行くと門前払いされてしまった。そこで、アイスンは今までずっと嫌っていた勇者になることを決意し、勇者を受け継ぐ。
(勇者になると勇者の証がもらえて、基本的にどこでも入場可能になるため)
 ようやく城へ入る許可が下り、ミレアに会うことができたが、彼女はまだ記憶喪失で旅をしていた期間のことは忘れてしまっていた。

結)魔女を倒すため、最後の戦いへ
 アイスンはミレアの記憶を取り戻すため、仲間と共に旅を続け、魔女を探していた。ようやく居場所を突き止めたが、手下と戦っているうちにこっそり魔女に逃げられてしまった。倒した魔女の手下から魔女の目的は偽の契約で力を集め、魔王を復活させることだと聞いた。アイスン一行は魔王が封じられている自分の故郷、ユウシャ村へ急いで戻った。
 村へ着くと、家族や村人たちが倒れているところを発見した。彼らは急に現れた魔女と手下と戦ったが、途中で魔女に逃げられてしまったのだ。一行は二手に分かれて行動し、アイスン、キューティーナ、キュウは魔女を探して封印場所へ先に向かった。ハーピーとゴールドは村人たちの手当てをしてから合流することにした。
 アイスンらは魔女を見つけて戦うがなかなか倒せずにいた。この魔女は偽物で中身は人形であり、何度攻撃しても倒れないのだった。その頃、魔女の本体は魔王復活に必要な最後の力を求めてマロヤカ王国に忍び込んでいた。マロヤカ王国の宝物庫には力を倍増させる貴重なアイテムが保管されているため、盗みに来ていた。宝物庫に入ると、罠が仕掛けられていたため、捕まってしまった。しかし魔女は魔法で自分と人形の位置を入れ替え、アイテムを盗んで逃走した。ミレアは旅の間の記憶がなかったが、アイテムを盗まれたと報告を受け、従者と共に宝物庫を訪れていた。罠の中には人形が倒れていた。
 魔女(本体)は人形と場所を入れ替え洞窟に来ると、魔王復活に専念するため人形の操作を止めた。盗んだアイテムを使用し、防御魔法を唱え、ガードして魔王復活のための呪文を唱え始めた。アイスンらは仲間と合流したが防御魔法にはじかれ、攻撃が当たらず、苦戦していた。ミレアの従者は宝物庫に残された人形の腕輪を見ると、姫が魔女と契約した時に身につけていたものだと気が付いた。ミレアと従者は腕輪を破壊すると契約は解除され、魔女には人形の腕輪の力が送られなくなり、ガードの魔法がなくなった。仲間は本来の力が発揮できるようになったため、ようやく魔女を倒して捕まえることができた。
 その後、記憶が戻ったミレアはユウシャ村を訪れ仲間に会い、姫であったことを打ち明け謝罪する。アイスンもミレアに勇者であることを黙っていたため謝り、もう一度旅を始めないかと誘った。ミレアの父の許可をもらい、二人は新しい旅を始める。
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