詩小説『おやすみはこれから』3分の夜。全ての大人へ。

エピソード文字数 570文字

おやすみはこれから

湯船に浮かべたのは、水風船の触り心地。

君を乗せて見上げたのは、満月の電球。

天井には雫が集まってた。湿った匂い運び。

僕はのぼせることを忘れて、撫で続けた。

冷たいタイルにもたれて泣いた、あの日は遠くへ。

おやすみはこれから。
足並みを揃えて。
寝息を子守唄に変えて。
遠い銀河へ旅立つように。

肌触りは嘘みたいにひんやりと光っていた。

僕は頬を当てたまま、やめなかった。

もう一度、シャツのボタンを外した。

曇りガラスの向こうは雪が降ってる。

イッキに飲み干すように、じっくり味わうように。

Tシャツの中へ帰ろう。月面にタッチするように。

そこは薄暗くて、最も静かな世界で。

おやすみはこれから。
指と指絡めて。
息がかかるほど側で。
ぶくぶく深海へ、潜るように。

四六時中でいいな。飽き足らないな。

終わらないでと願うばかりで。

泥を塗りたぐるように。

嘘をつくように。

汚すように、汚れるように。

染まるように。染めるように。

その手で。

おやすみはこれから。
同じ夢に堕ちるように。
シーツにある匂いに包まり。
生まれる前の母胎まで還る。

おやすみはこれから。
足並みを揃えて。
寝息を子守唄に変えて。
遠い銀河へ旅立つように。

ぶくぶく深海へ、潜るように……。
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登場人物紹介

主人公はあなたです。それぞれの恋愛模様を『詩小説』で。

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