詩小説『流星ひきこもり』3分の現代の闇。若者へ。

エピソード文字数 773文字

流星ひきこもり

壁に穴を開けた。

震えるように鈍く大きな音。握り拳のまま、手に残る痛みに震えていた。

壁に空いた穴を眺めていた。じとーっと汗を噴いて、立ち尽くしていた。

流星 流星 流星 流星
何座でもなく群れない光。

あやすように窓で煙草を吹かした。どこを目指すでもなく煙を行く。

外には痩せ細った三日月と、台形に伸びるドブ川と、電柱に貼られ捲れたチラシ。

それから突き抜けた車。漂う煙。

流星 流星 流星 流星
直ぐに消えてしまう光。

内側から南京錠を巻き付けて、かたくなな鍵、開かずの扉。

鍵のかかった部屋にしたなら、セカイをそこへ閉じ込めた。

もう何日、何週間、何ヶ月、経つだろう。これで何度目の三日月だろう?

流星 流星 流星 流星
宝物詰めた缶箱の中で眠る光。

鍵のかかった部屋にひきこもり、弾むこともなく、湧くこともない、ひきこもった心。

水の流れがないせいか、揺れる草木、魚がないせいか。流れの止まったこの池は淀んで黒く濁る。

震えて、熱くなって、込み上げたなら、立ち上がる。

流星 流星 流星 流星
誰も分入らない森へと落っこちた光。

何かを成し遂げるなんて、どこかへ辿り着けるなんて、できやしないと知ってる。

なんにせよ、どうにせよ、机上の空論には聞き飽きてしまった。

何もできないかもしれない。だけど、何かはできるかもしれない。

流星 流星 流星 流星
落っこちた土の上。石コロになった光。

硬く巻き付けてられた南京錠は、頑なにほどけるのを拒む。

自分で封じ込めた扉だ。これほど誰も入って欲しくないとは。開け方すら忘れてる。

流星 流星 流星 流星
それでも微かに光り続ける光。

ようやく開いた扉。

階段を駆け下りる。

僕の知らない夜の街へと。

僕を知らない夜の街へと。
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登場人物紹介

主人公はあなたです。それぞれの恋愛模様を『詩小説』で。

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