天かすえび味

文字数 676文字

 スーパーで信じられないものを発見した。「角屋米穀 天かすえび味」70g198円。天かすといえばおれの頭では、天ぷらを揚げると発生する「邪魔もの」あるいはうどん屋で持ってけドロボー的にタダで各テーブルに設置されているやつだ。
 こう考えるのは、おれの母親は天かすを都度捨てており(天かすではなく油かすと言った)、お好み焼きに入れたり何かにトッピングする文化がなかったためだ。とっておいても時間が経つとべちゃっとなるしで、かす故に本当にかすと考えていた。
 それが、70gで、198円もする……? 暴利ではないか。
 原料をみると魚介エキス、えび、食塩、えび醤……とある。そうか、えび味だもんな。もしかしてこれってかっぱえびせんと同じではないか。じゃあおいしいんかな?
 天かすに金を払うなんてしたくなかったが、味を検証するため購入した。家に帰りさっそく袋をあける。えびの香りがウワッとくる。うまそうではある。スプーンですくって口に入れる。サクサク……うん、うまい。おれのイメージしていた油でギトギトの油かすとは違い、軽い。まんま、スナック菓子だ。198円もとるだけあって、触感も工夫されている。
 かっぱえびせんの軽い版みたいだなあ。もうひとくち入れる。サクサク……うまいなあ。もうひとくち。70gしかないのですぐに食べ終わってしまった。やめられないとまらない。市販の天かすは、金をとるだけあってかなりうまいことが判明した。たまたまこの商品だけかもしれんけど。途中で味変で炊き立てごはんの上にのっけて醤油をかけ、海苔で巻いて食べたけど、かなりうまいよ。おすすめ。




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