ヤコブとエサウと百合物語 その4
文字数 979文字
ヤコブはおじラバンの下で、仕事の手伝いを始めた。
その仕事ぶりが認められ、ヤコブはラバンに呼び出された。
ヤコブよ。
君は親戚なんだから、何もただで働くことはない。
なんでも好きな報酬を言ってみなさい。
えーと、はい。
(ラケルのほうをちらっと見る)
おじさんもしよければ、ラケルを私の妻に下さい。
そうすれば私はあなたの下で7年間働きます。
ふむ。
私はかまわんが、ラケルのほうは大丈夫なのか?
そして7年後。
ヤコブとラケルの結婚式の段取りは着々と進んでいた。
レア姉さま……。
私レア姉さまと離れ離れになるのは嫌です。
でもいつまでも結婚せず家にいるのは、お父様に申し訳ないし。
私も近くにヤコブ様みたいな素敵な男性がいたらなー。
……。
そうだわ!
私にいい考えがあります!
ちょっとお父様と話をしてきますね! レア姉さま!
実はレア姉さまから聞いたのですが、レア姉さまもヤコブ様のことを愛してまして。
何、そうだったのか。
しかしもう結婚式の日取りは決めてあるぞ。
今更変更するわけにもいかんし……。
ふむ。
私はレアを信頼できる男に嫁がせたいから、それでもかまわんが、
当のヤコブが納得するかな?
私がヤコブ様を説得します!
お父様も協力お願いします。
いいだろう。
ヤコブが何か文句を言ってきたら、私が初めに説得しよう。
結婚式の日、ラバンの家で盛大な祝宴が開かれた。
そして夜遅く、ヤコブはラケル(?)と一夜を共にした。
ヤコブは外へと飛び出し、おじラバンの元へと詰め寄った。
ラバンおじさん!
これはいったいどういうことですか!?
話が違いますよ!
私はラケルを妻にくださいといいましたよね!?
まあまあまあ、落ち着けヤコブ。
私にも世間体というものがあってだな。
姉より先に妹を嫁がせるわけにはいかんのだ。
私はちゃんと約束は守る。
一週間後、再び結婚式を行う。
今度こそラケルを君に嫁がせよう。
その代わりもう7年私のために働いてくれ。
レア姉さま!
これで私たちずっと一緒にいられますね!
不満がないこともなくもなくもないが、いいだろう。
妥協してやる。
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