如月真琴

文字数 2,895文字

如月真琴の執筆スペースです。

勝手に書き込むとネタにされてしまうので注意です!

ふんふんふーん、今日も面白いゲームみーっけた♪

なになに……横スク形式のオープンワールドなんだー?

いかにストーリーを消化しながら右端に到達できるかを競うんだねー。

おもしろーい、俺がオープン初日で制覇してやる。

ルシさーん、今日も新しいゲームに手を付けるんですか?

いい加減にしてください。またそうやって作業量増やして。

今の生活だって回ってるとは言い難いんですよ?

ちょっとはお金稼いでください!

うんうん、家事手伝いなら昨日やったでしょー?

昨日の俺が台所で料理振る舞うさ。大体6時ぐらいに。

せめて毎日3食作ってください!!

あと仕事と家事手伝いは全く別物です!!

あれ、このゲーム、緊急メンテはいっちゃったよ……。

はぁ……メンテが終了する時間まで加速する能力とか欲しいなー。

サービス初日だから仕方ないか……ちょっと散歩してくる。

あ、ルシさん!? まだ話は終わって――!
俺たちが訳の分からない世界に来てから1ヶ月が経過していた――。

まぁ、あくまでそれは世間から見て1ヶ月だ。

魔法を失い、一般人と変わらないぐらい衰えていた俺は、

自分の力を誇示するための能力を得た。それが1日をやり直す能力だ。


それを駆使して常人の何十倍もの時間を得た俺は、

今日もこの世界の探索を続ける――。

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今日は……そうか、さっき日付変えたんだった。

ということは、通行人とか雲の流れとか、全く新しい風景が見れるのか。

こういうことって、何度目か忘れたけど、新鮮だな……。


飽きるんだよな、同じ日を繰り返してるとさ。

風の流れは――たとえ同じ時間を繰り返しても同じと言い切れるかしら?
おっと、おはようございます。お嬢さん。

今日も一段と麗しいですね。本日はどちらまで?

彼女はレイアース……なんだっけ。レクサスさん?

俺たちの家の近所に住む、いわば同郷の人だ。

名前も和名っぽくないし、とても他人のように思えない気迫を感じる。


とても電波なところが特に。

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いえ、今日はゴミ出しを……。

おや、おかしいですね。

私はさっきまで可燃ごみの袋を持っていたはず。

まさか、風に飛ばされて――!?

よく分からないですけど、それは無いと思います。
彼女と話しているとどうもペースを崩される。

……この場を離れよう。

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じゃあ、僕は近所のゲームセンターに行ってきます。

なんか新しい機種が入荷したみたいなので。

世間では大学生という体で身を隠している。

これは入念に行ったシミュレーションに基づき、

「大学生だから」と言えばあらゆる非行が容認されるらしい。

……よく分からないが、大学生とはこの世界の貴族のような立場だ。

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…………えぇ、そうなの。

よければ、私もゲームセンターに連れて行ってくれないかしら?

…………!?
失礼ですが、お嬢さん。

ゲーム経験はお持ちですか?

『閃光の風使い』というネームでよくMMOとかやってますが?
何ということだ。

閃光の風使いといえば、俺がもっとも愛しているアクションMMORPG『ドラゴンマスター』において、つい最近までランキング1位だった伝説のプレイヤー!!

つまり――ここで倒すべき宿敵だ!!

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さ、さぁ……? その名前を聞いたことはありませんが、

きっと素晴らしいプレイヤーなのでしょうね。


付いてきてください。一緒にゲームしましょう。

無知を装い、彼女をゲームセンターに誘う。

俺はドラゴンマスターにおいて†漆黒の堕天使†という名前で現ランキングの1位を陣取っている。閃光の風使いは現在2位だ。

……ここで決着をつけてやる。能力なしの正々堂々とした手段で!

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えぇ、風が呼んでいるのです。

あなたは何故か、この世に不幸をもたらそうとしている。

倒すべき諸悪だと――風が告げているのです。


私は……それが本当なのか確かめたい、それだけ。

ははは、何を言っているかさっぱりだ。
俺たちはゲームセンターに足を踏み入れた。

さぁここが今日の戦場だ。もちろん対戦機種は新台に限る!

最新技術を導入したVRアクションゲームらしい。

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ふむふむ……ここが、ゲームセンターですか。

はじめてです。とても乱雑な風の流れを感じます。

そうでしょう。ここはとても良い場所です。

ここにあるゲームはどれも気合の入ったものばかり!

家庭用ゲームとはまた違った趣がありますよね。

さぁどれで遊びますか!?

などと言いつつ、俺は一つのゲームへと彼女を誘導させる。

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おや、今日稼働になったばかりのゲームのようですね。

折角ですし、これで対戦しませんか?

えぇ、いいですよ。

このVRゴーグルというものを被ればいいんですね?

それとコントローラー……なるほど、これが武器になる。

飲み込みの早さは流石、隠れヘビーゲーマーだ。

俺も負けじとVRゴーグルとコントローラーを装着し、

仮想世界へと没入していく――。

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うん、じつにゲームらしい世界だ。
では、参ります――。
それは刹那の出来事だった。

尺寸の長い刀を構えた彼女が一瞬にして襲い掛かってくる。

――操作方法がまるで分からん!! ええい、ままよ!

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――――ガキン!

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待ってくださいよお嬢さん、

まずはチュートリアルから楽しみましょう? ね?

あなたが私の1位を奪ったことは知っています。

†漆黒の堕天使†よ、今ここで滅ぶがいい!!

あ、バレてたんだ……。
どうやらハメられていたのは俺のほうだったらしい。

明日はこんなヘマをしないようにしなければ。

それはそれとして、今日負けるのも出来れば避けたい。

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いかにも!! 我こそが†漆黒の堕天使†なり!!

お前は『閃光の風使い』だったな! かかってくるがいい!!

あなたがチートを使ってランキング1位になったことは知っています!

どんな手を使ったのかは分かりませんが……許さない!!

――――ガキン!

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お互いの持っている刀と刀がぶつかり合う。

この時代のVRゲームとして、武器が刀だけというのはシンプルだ。

……いや、もしかしたら魔法も?

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燃え盛れ、炎の力よ!!
…………。

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融通の利かないゲームめ……。
このゲームの操作方法は風が教えてくれました。

あなたが†漆黒の堕天使†だということも、

このゲームセンターに入った新機種のことも、

全部、全部、風が教えてくれたんですーーーー!!

お前、まさか能力者か……!?
この世界で能力を持っている人間は珍しいらしい。

……しかし、確実に存在するとも言われている。


この御都合主義とも取れる便利な風使いは、なるほど。

――どうやら俺は、とんでもない能力者に挑んでしまったらしい。

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だが、ここで諦めるわけにはいかない!!

全力で抵抗させてもらいますよ!!

操作方法が分からない俺と、彼女では力の差がありすぎる。

結果は――すぐに分かるだろう。

だが、ここは感覚で……!

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返してください、私が積み上げてきたランキングを!!

許さない――不正なんか絶対に許さないわ!!

激しい猛攻を繰り出す彼女は、

きっとコントローラーを一心不乱に叩いているのだろう。


俺は防ぐので精一杯だった。

やがて――防ぎきれない一撃が刺さる。

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やっべ……!
これで――トドメです!!
明日――彼女に会ったら謝ろう。

そう思いながら、俺は初めての敗北を味わった。


fin.

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執筆終了!!

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登場人物紹介

†漆黒の堕天使†(だがー しっこくのだてんし だがーとじ)

別名:黒翼 流知不(こくよく るしふ)

性別:男



ゲームの上手いお兄さん。

アクションMMORPG『ドラゴン・マスターズ』などなど、

数々のゲームランキングで全国1位を維持している伝説のゲーマー。

卓越したプレイ技術と才能を持ちながらプロへの招待を断っている。

はじめてオフ会に姿を見せた際、

ゲーマーとは思えない美貌の持ち主として一躍注目を浴びた。

甘いルックスを活かした笑顔を貼り付けているが、

内面はかなり攻撃的。

特に自分を叩こうとする輩には

罵詈雑言を並び立てて噛み付く癖がある。



その正体は異世界から召喚された堕天使張本人である。

元々大天使として成果を上げていた彼だったが、

神に謀反を企て堕天させられる。

それは弟のミカエルを天使長にするための演技だった。

その後は地獄で悪魔と仲良くやりつつ、天界を監視していた。

(中略)

神に対抗する手段として少女を味方に加えた彼だったが、

熾天使の卑劣な罠にかかり2人は異世界送りにされる。

元の世界に帰れなくなった彼は、

黒翼流知不という偽名を得て庶民に扮すると、

人間らしい生活を謳歌するようになった。

特にゲームというものに心酔すると、あり得ない速さで極めていった。


元の世界で極めていた全属性魔法は全く通用しないが、

相手の心を折る最も穏便な手段としてゲーム勝負を武器とする。

小説、漫画、テレビ、歴史書、ゲーム――他にも彼の興味を惹くものは尽きない。

一緒に異世界召喚された少女が唯一真面目に働き、家計を支えている。

いつか元の世界に帰れる日が来るのだろうか――。




能力名:†神に挑む者†

時間を逆行して1日を何度でもやり直せる能力。

異世界送りにされてから、やりたいことの多い彼が自力で得た魔人能力。

しかも質量のある残像を生み出すことで、

リセットされるまでの行動を再現することもできる。

彼が満足するまで同じ24時間が繰り返される。

やり直すほど、残像も増えていく。


複数の作業を1日で極め、

全てのゲームでランキング1位を維持できるのはそのためである。



戦う動機:沸点がとても低いのですぐ戦う。

とりわけ、神や天使に対しては容赦しない。



原案:紫陽花

イラスト:三日月アルペジオ

作者:如月真琴

名前:レイアース・レクサス

性別:女性

特殊能力:風の声が聞こえ、風を操る能力

設定:

風を操り、風の声を聞く魔神。

とはいえ、彼女は雷属性が苦手で、スパークみたいなものが見えたりすると怯える。

その過去には、雷で重傷になった事がある。

因みに魔神になった年齢は、11歳。

若くして魔神になったのであろう。

風の声が聞こえて、そのとおりにしたら魔人化しちゃったパターンでした。

泣いたりすることも多いらしい。

相手を倒したい動機:なし

作者:斬撃レグ

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