1話 チュートリアルが難し過ぎる不具合

文字数 1,895文字

魔王を倒し、この世界の再攻略を始めるため、改めて始まりの町を訪れたは良いものの……
2017/12/20 04:13
ひぃ! 助けて!
2017/12/20 04:32
殺されるー!
2017/12/20 04:32
「はじまりの町」と言っておきながら、物騒だな
2017/12/20 04:33
スライムA、スライムB、スライムCが現れた!
2017/12/20 04:34
懐かしいな。この程度で苦戦していた時期もあったものだ……
2017/12/20 04:36
パチンッ――
2017/12/20 04:37
な、何だアレ……チート過ぎないか? 指を鳴らしただけにしか見えなかったけど……
2017/12/20 04:37
スライムA、スライムB、スライムCは倒れた!
2017/12/20 04:38
ちょっとそこの勇者
2017/12/20 04:39
ひっ、は、はい……! 何でしょう……?
2017/12/20 04:39
はじまりの町は久々でな。どこか宿を知らないか?
2017/12/20 04:40
あ、それだったら――
2017/12/20 04:40
 

 

 

 


2017/12/20 04:40
翌日早朝――
2017/12/20 04:42
1022……っ、1023……っ、……1024!
2017/12/20 04:42
 微弱な《風圧》で僅かに浮遊した状態を維持しながら、一回一回丁寧に腹筋を繰り返すクスノキ。
2017/12/20 04:47
 区切りの良いところで、部屋のドアが激しくノックされる。
2017/12/20 04:50
……?
2017/12/20 04:51
失礼します
2017/12/20 04:52
あぁ……何か用かな?
2017/12/20 04:53
今朝方、町に巨大なモンスターの群れが侵攻してきました。……ここも危ないので、避難して下さい
2017/12/20 04:55
なるほど……報告ありがとう
2017/12/20 04:56
……それは?
2017/12/20 04:57
それ? あぁこれか? クスノキ流浮遊魔法体幹トレーニングだ
2017/12/20 04:58
……
2017/12/20 04:59
そんなにジロジロ見られれても……照れるじゃないか
2017/12/20 04:59
いえ、もしかしたらと思ったのですが、勘違いだったようです。では、次もあるので。早めの非難を
2017/12/20 05:01
……
2017/12/20 05:02
珍しい武器を持ってたな……同業者か
2017/12/20 05:02
 

 

 

 


2017/12/20 05:03
 町を囲む防壁のところどころが崩壊しており、多くの冒険者がスライムを相手に苦戦していた。
2017/12/20 05:04
こんなチュートリアル! 話と違うぞ!?
2017/12/20 05:08
次第にスライムに囲まれていく勇者の少年。
2017/12/20 05:08
……っクソゲー……!
2017/12/20 05:09
パチンッ――
2017/12/20 05:10
はぁ……火力が足りなさすぎるにも程がある
2017/12/20 05:10
……っ!?
2017/12/20 05:11
何だ、そのハーピィが火縄銃をくらったような顔は?
2017/12/20 05:11
豆鉄砲な。それより、何であんたがここに……宿の方にもデカイのが一匹……
2017/12/20 05:11
あぁ……あれか? 動く木、エントのことか?
2017/12/20 05:14
エント!? まさか『漆黒の古代樹』? 奴は魔王軍幹部の中でも最強格……
いや……ちょっと待てよ、アンタそれ、持ってる木の棒って……
2017/12/20 05:15
あぁ、手ごろな材料なので、握りつぶして武器にさせてもらった
2017/12/20 05:17
えぇ……
2017/12/20 05:18
で、草原の方に見えるアレは何だ?
2017/12/20 05:19
エターナルポイズンスライム……町よりも大きいスライムってのは見たらわかるよな? しかも、周りには有毒ガスが発声していて近付くことも出来ない……
2017/12/20 05:19
ふむふむ……
2017/12/20 05:21
あんなのに勝てるわけがない……これじゃあせっかくもらったチートスキルも使えない……
2017/12/20 05:22
勝てないとわかるのか。君、頭がいいな
2017/12/20 05:22
いや、さすがにオークでも分かるぞ……?
2017/12/20 05:23
――でも、試してみなければ分からないだろ?
2017/12/20 05:23
……
2017/12/20 05:24
ステップ1「古代樹の棒を投げる」……フゥンッ!!!!
2017/12/20 05:24
ええええええええええええええ!!!?!?!?
2017/12/20 05:25
 紫色のお椀型をした粘液――エターナルポイズンスライムに、黒い棒状の物体が爆音を立てて衝突する。
2017/12/20 05:25
や、やったか……?
2017/12/20 05:27
失敗……か
2017/12/20 05:30
魔導核……あの中心にある赤い石を壊さないと!

ああぁクソ、再生していってる! もう終わりだ……これからがハーレムライフの始まりだというのに!

2017/12/20 05:33
――ステップ2「殴る」
2017/12/20 05:35
――え?
2017/12/20 05:36

 

 

 

 


2017/12/20 05:36
……
2017/12/20 05:37
 
2017/12/20 05:46
これは手出しのしようがないな……
2017/12/20 05:47
 ライフル状の武器のスコープで、遠くを覗く。そこには、クスノキと名乗った女冒険者が、紫色の血飛沫を辺りに散らしながら、ひたすらスライムに殴りかかっていた。一発一発が、嵐のような突風を巻き起こし、周りにいる冒険者は飛ばされたり毒ガスを吸わないように必死に耐えるしかなかった。
2017/12/20 05:47
あれが……魔導核……こんなところで見つけるなんて
2017/12/20 05:51
 クスノキの拳が、スライムと魔導核を引きはがす。

 最後の一撃と同時に、世界が赤く輝いた――

2017/12/20 05:52
 

 

 

 


2017/12/20 05:54
ふぅ……
2017/12/20 05:55
や、やったのか……? 姐さん……
2017/12/20 05:56
かなり苦戦したが、良い運動になったよ。君もそう思うだろ?
2017/12/20 05:56
いや……。あれ、どこに行くんです、姐さん?
2017/12/20 05:57
次の町だ。この世界はどこかおかしい……何より私の野望のためにも、歩みは止めてはならないんだ……
2017/12/20 05:58
そ、そうっすか……達者で……
2017/12/20 05:59
君も難しいことばかり考えずに、たまには汗水垂らして自分の筋肉と向き合うんだな
2017/12/20 05:59
あ、そういえば名前を――
2017/12/20 06:00
名前? 私はクスノキ。しがない救世主だ……元OLのな
2017/12/20 06:00

 

 

 

 


2017/12/20 06:01
あぁ……もうめちゃくちゃだ……何で、こう上手くいかないんだ。勇者なんてやめて行商人でもやろうかな……
2017/12/20 06:02
まったく、その通りだよ……こうも派手にエターナルポイズンスライム――モンスター生成器が壊されたら、チュートリアル商法で回っていた町の運営が困難になってしまう……はぁ、この商売も中々うまかったんだけどなぁ
2017/12/20 06:03
えぇ……そんな裏事情が……はじまりの町怖ぇ……俺も先に進むか……姐さんともまた会いたいしな……
2017/12/20 06:06
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登場人物紹介

クスノキ

 異世界を魔王の支配から救い出した英雄。元OLの魔法剣士(物理)。

 自分の野望と、異世界復興のために旅を続けている。

 趣味は筋トレ。美少女が大好きなクレイジーサイコレズ。


HP(体力):95

MP(魔力):110

ATK(攻撃):9999?

DEF(防御):100

INT(知力):50

AGI(敏捷):90

DEX(命中):85

固有スキル:成長補正EX

エリィ

 魔王の血を引いた三角四翼の金髪美幼女。ボクっ娘盗賊。

 クスノキの命令に対して従順であり、一途に彼女のことを想っている。

クラリ

 人と狼の亜人。一人称はオレ。フリーの魔法射手。

 魔導核を求めて旅をしている。

・タダヒラ

 クスノキと同じく転生者で勇者をやっている。下位職の剣士ではあるものの、よく剣をなくす。巻き込まれ体質。

・魔王

 強い。クスノキよりは弱い。

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