奇々奇譚集
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文字数 1,592文字
夢だったのでしょうか。
夢なら、そのほうがいいのです。
誰でしょう。
泥棒ならば、玄関で熟睡はしないはずです。
兄貴。
次男くんは、たしかにそう言いました。
長男は、引きこもりではなかったのでしょうか。
「見ての通り、引きこもりの逆ですよ。
大学生になってから、ろくに家にも帰ってこないんです」
私は、長男の手に視線を移しました。
怪我はありません。
次男くんの手を確認しました。
念のため、自分の手を検めました。
ぎし、
ぎし。
二度とあの家には近寄るまい。
私は、そう決意するのでした。
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