奇々奇譚集
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文字数 1,455文字
ぎし、
ぎし。
きし、
きし。
足音が移動しています。
これは、階段を下りる音でしょうか。
起きていることを悟られたくなかったのです。
さり。
──ぺり。
まさか。
あの爽やかな少年が、覗きなんて──
所詮はただの中学生です。
そういうことも、あるかもしれません。
私なんかの寝姿を覗いたところで、なんの面白味もありません。
ささり。
──ぺさり。
ぺり。
さりさり。
増えていく。
障子の目が、増えていく。
動けない。
まばたきすらできない。
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