瞳「( ̄▽ ̄) 美雪さん。私の旦那が帰ってこないわ」

文字数 514文字

--美雪

うるさいよ、三十路。
そんなこと言われなくても分かっていますよ。

昨夜団地に帰宅した、かぐや姫の娘さんたちから
詳しい事情は聞いてるから。

お兄ちゃんの服に盗聴器を仕掛け、行方を追って
くれたみたいだけど、そんなことしなくても私たちは
「小説に出演していることを自覚しているタイプのキャラ」
だから、問題ないの。

私は前話の内容を読み、心を落ち着けてから、壁に拳を突き立てました。
団地は壁が薄いので私のこぶし大の穴が開きました。

「賢人のこと考えるの疲れちゃた」

瞳が重苦しい雰囲気で何か言ってます。

「だって、どう頑張っても賢人と結ばれないじゃない。
 処女までささげたのに、彼が別の女と浮気中って
 どういうこと? 大手の少女漫画でもここまでの
 展開ってそうないわよ」

「市販の少女漫画もそんなに変わらない展開だと思いますよ。
 最近のは性的にだらしない作品が多いんですよね」

「あらそう。そうなのね。うふふ。( ̄▽ ̄)
 あーなんだか楽しくなってきたわ。
 何もかもうまくいかなすぎて逆にね」

瞳は何をするのかと思ったら、キッチンの包丁を自分の
胸に刺そうとしていました。目がぼーっとして危ないので
さすがに止めに入ります。

「止めないで(>_____
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