3 ❀ 理々 と テロリスト

文字数 1,086文字

ブレイク剣道会場から逃げる、少し前のこと。


轟々と燃える会場を前に、その少女は足をすくませていた。

ま、まさか、咲良……

理々は、ドサッと草むらに膝をついた。


炎の映るその目から、涙が零れた。

いやよ、そんな……。

これじゃ、また同じだわ!

過去を変えるために炎へ飛びこもうか。


ビュゥッと強い追い風が、理々の背に打ちつけた。

くっそ、間に合ってくれ!!

スノボで颯爽と風を切る、ラルフの姿が理々の目に飛び込んだ。

あの人…空を飛んでる

ラルフは、燃える剣道会場へ飛び込んだ。


しばらくすると、会場の上空に何者かが飛び出した。


スノボで空へ逃げたブレイクだ。

また、フライングヒューマンが!?


あの人、ふらふらしてるけど、大丈夫?

咲良に竹刀で打たれ、ジョンに銃で撃たれたブレイクの体力は限界に来ていた。


段々と地面へ向かって降下していく。

や…やべぇ…

「あっ」と思った時には、両足がスノボを離れ、ブレイクは地面へ真っ逆さまに落ちていた。



空から、おっさんが落ちてきた――!?

ブレイクは、理々から少し離れた場所に、ドサッと落下した。

し…死んでる?

あれ、よく見るとおっさんじゃない。

若いや

理々は、うずくまる男へおそるおそる近づいた。

あ…あなた、だい…じょうぶ?
あぁ?

ひっ

ブレイクは渾身の力で、ゆっくりと立ち上がった。
( 死んでもおかしくないのに。並みの生命力じゃないわ。何者!? )
いたぞ、あそこだ!

逃がすか!

捕まえろ!
囲め!
空の上からスノボでやってきた4人は、地面に下り、ブレイクへ拳銃を構えた。
なんか、いっぱい飛んできた――!?

理々は、そそくさとその場を離れようとしたが。

捕まってたまるか!
ちょ!?

理々の腕がぐいっと引かれ、その首にタガーナイフが近づけられた。


ナイフの冷たい感触に、ぞっと背筋がふるえる。

来るな! これ以上近づいてみろ。


この女…を……アイタタタ!?

彼の右腕がねじられ、その手からナイフが落ちる。


体が宙を舞い、あっという間に地面に腹ばいにされた。

彼の背中が、理々の片膝で押さえられる。

いてぇ、いてえ! 離せ!!

ハッ!! あれ、私ったら反射で身体が…
離さないで! そのまま!!
マルコレイはそのまま狙ってて

が、理々にかわってブレイクを押さえこむ。


マルコレイは、万が一の時に備え、銃をかまえたままだ。

お嬢さん、すごいな! ケガは?
私はなんとも…。それより、この人は一体?
この会場をめちゃくちゃにした、テロリストだよ
うっそー…
あとは俺たちにまかせてくれ
はい。ど…どうぞ
理々は粗品でも渡すような仕草で、ブレイクから、そそそ…と離れる。
ご協力感謝する
は、ブレイクに手錠をかけた。
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登場人物紹介

帯刀 咲良  (たてわき・さら)


 高校2年生、剣術道場の娘。

ジョン・リンデン


イギリス人

インターポールの捜査官。

天羽 理々(あもう・りり)


高校2年生、咲良の親友

合気道部

ラルフ・ローゼンクランツ


ドイツ人

インターポールの捜査官。

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