詩小説『夜のドライブ』3分の想い出。全ての学生へ。

エピソード文字数 600文字

夜のドライブ

鍵のかかった部屋抜け出して、部屋着の君を迎えに行く。
なんでもない話でいい。つまんない夜はごめんだった。

目的地なんてなかった。思いつきで車走らせた。
足りない何かをねだるように。探し物を探すように。

見飽きてる町並みも、ありふれた知らない国道も。
なんでもない流れる景色が、やけにワクワクさせた。

アスファルト坂道、寝そべって、見上げた夏の知らない星座。
将来のこと、そして今のこと、少しだけ話してやめた。
思わず見つめた横顔。髪の毛に隠れる素顔探す。
柔らかい風が手をひいて連れて来た、この気持ちはなんだろう?

コンビニ立ち寄って、アイスを買ってはんぶんこした。
灯りに照らし出された君が、何故か胸に焼きついた。

くだらないことでも大袈裟なくらい、はしゃぎあっては過ごしてきた。
ぽつりぽつりと言葉零しあって、今だけ立ち止まってみた。

気づくこともなかった打ち明け話。胸の奥に秘めた真面目な話。
いつもでは見たことなかった、知らない君がいた。

道路脇に車停めて、僕も君も眠りについた。
ふいに目が覚めた時には、君はまだ寝むっていた。
窓の外は明るくなり始めていた。遠くに朝日が見えた。
僕はひとり車から降りて、海に吹く生温かい風を浴びた。

何かが変わろうとしていた。
気づかないふりをしていた。
季節は終わりを告げようとしていた。
僕と君は大人になろうとしていた。
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登場人物紹介

主人公はあなたです。それぞれの恋愛模様を『詩小説』で。

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