第3話 魂が呼んでいる

文字数 476文字

まだ

終わらないの?

もう少し


……ここが何とかなれば


……ううっ


……ああっ

彼は今

パソコンに向かいながら

自己の限界を超えた能力を

引き出そうと奮闘している

最中です


しかし

多くの引き出しを持つ私と違い

浅知恵と要領だけでは

超えられない壁が

彼に試練を課しているようです


そんな彼を私は

ただ待っていることか

出来ません


何故なら

彼の仕事が終わらないと

次の作業に取り掛かれない

とんだ失敗をしてしまった

私なのです

ここって 何処よ? 

月の裏側ってこと?

!”#$%&……
それなら……
□◆*▲○……

訳の分からない

悲鳴とも絶叫ともつかない

雑音を発した後

バタン!

と机に頭をぶつけ

そのまま身動き一つ……


いえ

ピクピクと体の細部を

動かした後

本当に活動を停止した彼です


これには流石の私も

驚きを隠しきれませんでした


彼の停止は仕事の……

奉仕活動の停滞を意味し

かつ

私が手持ち無沙汰になる……

つまり暇になるということを

意味しています


何という不甲斐なく

根性の欠片も持たぬ

愚か者を同僚に

してしまったのでしょうか


これこそ

一生の不覚

自然災害

運命の悪戯

避けられない事故に

遭遇してしまった私です


ではでは

そうであれば……

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