056 ペンギン社員
前のエピソードへ「第4話 宿命の回廊」
文字数 282文字
心地よい眠りから
覚めた私です
どうやら彼の面倒を
熱心に見てあげたせいで
釣られてしまったのでしょう
ふと
その彼の様子を伺うと——
どうやら彼は不在のようです
そこで同僚に
彼の所在を尋ねたところ
彼は過労で
寝込んでしまったそうですが
数日前にひょっこりと
会社に顔を出すと
そのまま休暇を願い出て
それ以降
音信不通だそうです
すると
私が見た彼とは一体……
そんな彼のことですから
誰からも気にされず
この世界のどこかを彷徨っているのでしょう
ですが
彼は南極にいます
荒ぶる南風に
贖(あがな)いながら
北を目指して
歩いているのです
そして
何時かここに
仕事をしに
戻って来るでしょう
そういう人ですよ……
彼は
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