上司・課金・炎天下もちゃんとあります
文字数 2,000文字
１□□Ａ ２□□
□ ３□□
４□Ｂ □ Ｃ
５□Ｄ□ □
６□□ □ ７□
□ ８□□
※各英数字ならびに□は、クロスワードパズルの空白升を表します
ヨコの鍵
１．政治家が自分で決めるもの
２．インド神話の軍神を漢字表記で
３．ドラゴンフルーツの和名
４．口内及び周辺の粘膜にできる炎症の総称
５．大昔は下駄で占っていた事柄
６．世の全ての人
７．料金や費用を引き受けさせること
８．書籍などの紙面をこしらえる業務を統括する人
タテの鍵
１．内と外をつなぐ一方通行ではない極短い経路
Ａ．淡くくすんだ赤みの薄い赤紫色
２．己のやったことが己に返ってくること
Ｂ．焼け付くように暑い空の下
Ｃ．非常に価値があること
Ｄ．近く公開される見込みの、主に映像作品について興味を掻き立てる目的で作られる比較的短い作品
６．部下から見て位が上の人
７．読切初出時は『カラーに口紅』。この漫画作品が初単行本化の際、題名にあった位
「ドラゴンフルーツの和名って分かる？私 より物知りなのを見込んで、教えて」
「急に何」
「クロスワードパズル。自力で解こうとしたけど、確実なのがなかなかなくって。果物の和名なら一つに絞り込めるっしょ」
「ふうん。何文字？」
「三文字」
「じゃあ紅龍果だ。南国旅行で見た覚えがあるよ」
「へえ。勉強になる」
「合いそう？」
「待ってて。今のが３ヨコで、Ａタテはさっぱり分からないから……２のヨコタテを考えてみると……２ヨコもさっぱり。タテの方は自業自得か因果応報が浮かんでいたから、ああ因果応報で行けそうよ」
「そりゃよかった。興味が湧いた。ヒント見せて」
「ほい」
「ども。……Ｂタテは炎天下じゃない？ わざわざ空の下って言うくらいだから」
「ほんと、それっぽい。えー、じゃあやっぱり４ヨコは〇〇炎なのかな。だけど口内炎だと口の中だけの炎症だし」
「うん？ いや、確か口の周りにできた炎症も含めて、口内炎と言うはずだ。昔、母親に言われたことある」
「まじ？ じゃ、一応『口内炎』にしとこうっと。あとさ、６タテは普通に考えたら上司かな。他に考えられる？」
「いや、いいんじゃないか」
「やった。それから、Ｄタテは予告かなって。これだと三文字にならないから、三文字目は“回”か“編”か、その辺りでいい？」
「予告編だろう。８ヨコが多分、編集長だから」
「あ、そっか。だいぶ埋まってきたわ」
「６ヨコが気になる。上□下と来たら上中下しかない気がするんだが、ヒントは“世の全ての人”……分からん。検索していい？」
「しょうがないか。二人でやっても分からないんだから」
「よかった。――お、なるほど。上中下は“かみなかしも”と読む場合、世の全ての人という意味があるんだって。古典語かな」
「ふうん？ 習った覚えないけど、とにかくこれでまた一つ埋まったと。あ、さっき気付いたんだけど、もっと簡単なのがあったわ。５ヨコの天□予報って、もう、決まりでしょ」
「ああ、“気”だろうね。下駄で占うとはそういう意味か。では僕も冴えたとこを一つ見せなくちゃ。実は検索する前にネットニュースが目に留まったんだけど、国会議員が辞める辞めないの話で」
「それが？」
「１ヨコは出処進退だ」
「――なるほどー。ていうことはＡタテは自動的に退紅になるけど、合ってるのかしら」
「調べた。“あらぞめ”と読む、そういう色があるみたいだ」
「矛盾してない訳ね。残りは……１タテの出□口は出入口よね」
「そうなる。短い経路という表現にイメージを狭められていたな。２ヨコのインドの軍神は独立しているし、調べなきゃ絶対に分からないと思う」
「やむを得ずってことで」
「……因陀羅かな？ インドラに漢字を当てはめたものとかどうとか」
「字、見せて……こういう字かぁ。調べなきゃ分からないというと、７タテもじゃない？ 漫画、詳しい？」
「いや。読切のときのタイトルなんて覚えないな。てな訳で早速調べると……なーんだ、『課長島耕作』のことだってさ」
「へえ、私は元から知らなかったな。とりあえず７タテは課長と。あとは７ヨコとＣタテ」
「両ヒントを見ると、ふわっと共通項があるような。支払いと価値があること……ずばり、金？」
「“料金や費用を引き受けさせること”が課金？ 何か違う気が」
「いや。ゲーム等の課金のイメージが強いけど、本来の課金の意味は合ってる」
「ならＣタテは？ □□金で凄く価値がある……超大金とかだと正式な熟語じゃないし、超合金は凄く価値あるってほどじゃないし」
「君の一人称で閃いた。値千金だ」
「な～る」
「全部埋まった？」
「うん。でもまだなの。指定された三升の字に、別の一字を加えれば四字熟語ができる。その加える字から連想される乗り物が最終的な答」
「早く言えって。どの三文字？」
「上と下と天」
「お、それなら分かる。光が見えた」
「はい？」
「上下天光というのがある。つまり、乗り物は――」
「新幹線！ ありがと」
「抱きつくなって」
□ ３□□
４□Ｂ □ Ｃ
５□Ｄ□ □
６□□ □ ７□
□ ８□□
※各英数字ならびに□は、クロスワードパズルの空白升を表します
ヨコの鍵
１．政治家が自分で決めるもの
２．インド神話の軍神を漢字表記で
３．ドラゴンフルーツの和名
４．口内及び周辺の粘膜にできる炎症の総称
５．大昔は下駄で占っていた事柄
６．世の全ての人
７．料金や費用を引き受けさせること
８．書籍などの紙面をこしらえる業務を統括する人
タテの鍵
１．内と外をつなぐ一方通行ではない極短い経路
Ａ．淡くくすんだ赤みの薄い赤紫色
２．己のやったことが己に返ってくること
Ｂ．焼け付くように暑い空の下
Ｃ．非常に価値があること
Ｄ．近く公開される見込みの、主に映像作品について興味を掻き立てる目的で作られる比較的短い作品
６．部下から見て位が上の人
７．読切初出時は『カラーに口紅』。この漫画作品が初単行本化の際、題名にあった位
「ドラゴンフルーツの和名って分かる？
「急に何」
「クロスワードパズル。自力で解こうとしたけど、確実なのがなかなかなくって。果物の和名なら一つに絞り込めるっしょ」
「ふうん。何文字？」
「三文字」
「じゃあ紅龍果だ。南国旅行で見た覚えがあるよ」
「へえ。勉強になる」
「合いそう？」
「待ってて。今のが３ヨコで、Ａタテはさっぱり分からないから……２のヨコタテを考えてみると……２ヨコもさっぱり。タテの方は自業自得か因果応報が浮かんでいたから、ああ因果応報で行けそうよ」
「そりゃよかった。興味が湧いた。ヒント見せて」
「ほい」
「ども。……Ｂタテは炎天下じゃない？ わざわざ空の下って言うくらいだから」
「ほんと、それっぽい。えー、じゃあやっぱり４ヨコは〇〇炎なのかな。だけど口内炎だと口の中だけの炎症だし」
「うん？ いや、確か口の周りにできた炎症も含めて、口内炎と言うはずだ。昔、母親に言われたことある」
「まじ？ じゃ、一応『口内炎』にしとこうっと。あとさ、６タテは普通に考えたら上司かな。他に考えられる？」
「いや、いいんじゃないか」
「やった。それから、Ｄタテは予告かなって。これだと三文字にならないから、三文字目は“回”か“編”か、その辺りでいい？」
「予告編だろう。８ヨコが多分、編集長だから」
「あ、そっか。だいぶ埋まってきたわ」
「６ヨコが気になる。上□下と来たら上中下しかない気がするんだが、ヒントは“世の全ての人”……分からん。検索していい？」
「しょうがないか。二人でやっても分からないんだから」
「よかった。――お、なるほど。上中下は“かみなかしも”と読む場合、世の全ての人という意味があるんだって。古典語かな」
「ふうん？ 習った覚えないけど、とにかくこれでまた一つ埋まったと。あ、さっき気付いたんだけど、もっと簡単なのがあったわ。５ヨコの天□予報って、もう、決まりでしょ」
「ああ、“気”だろうね。下駄で占うとはそういう意味か。では僕も冴えたとこを一つ見せなくちゃ。実は検索する前にネットニュースが目に留まったんだけど、国会議員が辞める辞めないの話で」
「それが？」
「１ヨコは出処進退だ」
「――なるほどー。ていうことはＡタテは自動的に退紅になるけど、合ってるのかしら」
「調べた。“あらぞめ”と読む、そういう色があるみたいだ」
「矛盾してない訳ね。残りは……１タテの出□口は出入口よね」
「そうなる。短い経路という表現にイメージを狭められていたな。２ヨコのインドの軍神は独立しているし、調べなきゃ絶対に分からないと思う」
「やむを得ずってことで」
「……因陀羅かな？ インドラに漢字を当てはめたものとかどうとか」
「字、見せて……こういう字かぁ。調べなきゃ分からないというと、７タテもじゃない？ 漫画、詳しい？」
「いや。読切のときのタイトルなんて覚えないな。てな訳で早速調べると……なーんだ、『課長島耕作』のことだってさ」
「へえ、私は元から知らなかったな。とりあえず７タテは課長と。あとは７ヨコとＣタテ」
「両ヒントを見ると、ふわっと共通項があるような。支払いと価値があること……ずばり、金？」
「“料金や費用を引き受けさせること”が課金？ 何か違う気が」
「いや。ゲーム等の課金のイメージが強いけど、本来の課金の意味は合ってる」
「ならＣタテは？ □□金で凄く価値がある……超大金とかだと正式な熟語じゃないし、超合金は凄く価値あるってほどじゃないし」
「君の一人称で閃いた。値千金だ」
「な～る」
「全部埋まった？」
「うん。でもまだなの。指定された三升の字に、別の一字を加えれば四字熟語ができる。その加える字から連想される乗り物が最終的な答」
「早く言えって。どの三文字？」
「上と下と天」
「お、それなら分かる。光が見えた」
「はい？」
「上下天光というのがある。つまり、乗り物は――」
「新幹線！ ありがと」
「抱きつくなって」
