コロッケ

文字数 533文字

 コロッケは安すぎる。
 だから好きじゃない。
 いつからだろうこのような考えになったのは?
 昔は好きだった。お肉屋さんのコロッケが好きだった。
  コロッケはおいしい。揚げたてのコロッケは極上である。街ブラでは定番であろう。
 しかし、お金の価値がわかってからこの安すぎる価格設定に疑いの目を向けるようになっていた。
 ものの価値は人の需要と供給で決まる。そうだとしたら、コロッケが安い理由は供給が原因だと最初は思っていた。
 よく考えてみると、おかしい。マクドナルドでも、ポテトの値段はあがっている。たまに足りないからSサイズしかない時もある。供給によって、値段が変動しないということは、消去法で需要が原因であの破格が実現されているのだろう。

 だから、好きじゃない。人が食べないものをわざわざ安く食べる。コロッケの値段設定について考えると人々の金銭感覚を狂わせる。だから、今まで誰も考えないようにしてきた。コロッケが80円でスターバックスの期間限定が600円なのはどう考えておかしい。みんな見て見ぬふりをしてる。今までも多くのコロッケの物価をあげようと試みた人達が同調圧力に犠牲になってきたのだろう。

 コロッケは異様な価格設定により、
 人気をなくした可哀想な恥のおかずだ。
 

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